月の上の景色 [短編集]

: 不安＜ m.s ページ18

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Lily side




最近、Aちゃんが携帯ばかり見ている。
少し前までは 俺にベタベタしてきたのに。




「 ねー、なにしてるん？見せて〜！ 」



『 …！？ ごめん、ちょっと忙しいから！ 』




声をかけても 驚いて携帯の画面を隠して
どこか焦っているような感じがする。




それがずーっと続くから 仕事中も
その事ばっかり考えてしまう。




「 おい、話聞いてた？ 」



『 うん…聞いてるよー 』




「 なあ、嘘やろ 何隠してるん…？ 」



ビクッと反応するAちゃん。
明らかに焦りだした。



「 その反応は図星やな？ 」



俺の 努力不足だった？




『 ち、違くて…っ 』




仕事であんまり会えなかったから？




「 違くないやん、その反応… 」




俺の好きが Aちゃんの好きと
釣り合わなかったんだ。きっと。




『…っ 』



今にも泣きそうなAちゃんを見ていられなくて
俺は部屋を飛び出した。




「 もういいわ、好きにせえよ 」




感情的になりすぎたかな なんて思ったけど
お互いが傷ついて消えちゃう前にって。

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