彼女の過去。 ページ11
次の日、俺は梅原とは喧嘩したまま待ち合わせ場所に着いた。
待ち合わせ時間の15分に着いたが、そんなの俺としては当たり前のことで女の子を待たせるなんてありえない。
すると、すぐにAは来た。
「ごめん、待った?」
「いやいや、全然!」
「増田くん来るの早いね!まだ待ち合わせ10分前なのに」
「Aの方こそ、早いだろ」
「うん、何だか昨日は眠れなくて…」
そうだ。こいつはきっと不審な手紙が届いて不安に駆られていたはずだ。
助けを求めたくて俺のところまで連絡を寄越してきたんだろう。
喧嘩したと言っても、自称Aを守るのが使命だと言う梅原は寂しそうな目でいる。
「きっと、本当のことが見つかるよ」
精一杯の優しさで言うと、Aは少し驚いたような顔で俺を見て、
「うん、そうだね。あたしやっぱりこのまま自分が誰なのかよくわからないまま生きたくないから」
俺はその言葉をしっかりと受け止めて、図書館に向かった。
「あの、すいません。2年前の新聞を借りることってできますか?」
俺が受付の司書さんに尋ねると、切り抜きなら、とファイルに綴じられた2年前の新聞の切り抜きがあった。
俺らはそれを持って、座席にじっくりと一つ一つの2年前にあった様々な事件を見ていく。
すると、俺は梅原の存在がいないことに気づいた。
まさか成仏したのか?その可能性はゼロに等しいが。
見ていくと意外と十代が巻き込まれた事件は多く、十代の窃盗事件や、14歳の中学生徒が通り魔に刺された事件など世の中は物騒だなあ、と痛感する。
「この中に私も巻き込まれたのかなあ…」
不安な声がAの口から漏れる。
そんなAが見てられる、思わず俺は言う。
「もう帰ろうか」
「え?」
「Aもこの前講習とかあって疲れただろ?この記事は俺が預かってそれぞれ調べとくよ」
「でも…」
「良いんだよ。お前に今一番必要なのは休息だ」
名前はどこか不満そうだったが、俺の強引な言葉により今日は解散となった。
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モカ(プロフ) - 梅ちゃん、幽霊か・・・絶対イケメン幽霊!!梅ちゃんとだーます、掛け合いが想像しやすい話で、面白いかも (2015年12月26日 21時) (レス) id: 8d41d46481 (このIDを非表示/違反報告)
21ライアザ - 梅ちゃんがかわいい!! (2015年6月4日 21時) (レス) id: 7a60cc3979 (このIDを非表示/違反報告)
どきん。(プロフ) - 梨々香▲▲ゆっきーは私の嫁(。・ω・。)ゞさん» すいません(^^;)テスト前なので全然更新できなくて…テスト終わったら必ず更新します!コメント本当に励みになります(^^♪ (2015年5月24日 0時) (レス) id: 4d27ec68a3 (このIDを非表示/違反報告)
梨々香▲▲ゆっきーは私の嫁(。・ω・。)ゞ(プロフ) - どきん。さん» まっすーが可愛いすぎてヤバイです!!更新ファイトです (2015年5月20日 22時) (レス) id: ffb1fc6dea (このIDを非表示/違反報告)
どきん。(プロフ) - あいなさん» ありがとうございます!増田さんの愛が深いので楽しいですよー(^-^)/ (2015年5月6日 18時) (レス) id: 4d27ec68a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どきん。 | 作成日時:2015年4月28日 16時