夜空に誓う (ページ1)

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-駿佑

まだ日が昇っていないくらい早朝・・・。

30代くらいの母親に手を引かれた10歳くらいの男の子。

そしてその男の子に手を引かれる5歳くらいの男の子。

大きな荷物を持って駅に向かってたんだと思う。

父親からの暴力から逃れるために・・・

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-コンコン

あれ・・・？朝？？

蓮「駿佑？起きてる？？」

「兄ちゃん、おはよう」

ずいぶんと昔の夢見たな・・・。

蓮「朝メシできてるから」

「ん・・・着替えていくから」

着ていた服を脱いできれいにアイロンがけされた高校の制服に腕を通した。

鏡の前でボタンを閉める・・・。

そうすると嫌でも目に入る胸の傷・・・。

小さいころから何度も手術を繰り返してきた

やっと傷が薄くなってきたって思ったらまた新たな傷が増える

それでも良くならない俺の病気。

生まれつき俺は他の人に比べて心臓の機能が悪かったんだって。

それですぐに手術したんやけど治らなかった。

だけど小さいときは俺自分が心臓悪いって思ってなかったんだよね。

そりゃ運動は禁止されてんけど・・・

けど・・・小学校に上がったばっかりの時やったかな・・・？

サッカーしようって誘われたのが嬉しくて校庭でみんなとボール追いかけてたんや。

そしたら急に息ができひんくなって胸が痛くて仕方なくなった・・・。

それから俺1年ちょっと入院しちゃった

どうやら俺の心臓は成長についていけへんねんって。

だから大きくなるにつれてどんどん悪くなっていくってわけ。

16歳になった今、週2で通院せなあかんし毎日の薬は欠かせないし
それでも最近は日常のちょっとした動作でも息が切れる・・・。

「今日もお茶漬け？？？」

蓮「仕方ないだろ・・・昨日買い物行く暇なくて、ごめんな」

「別にええよ？？いただきます」

蓮「ちょ！お前、お茶漬けの素入れすぎんなよ？？」

「平気やって、うるせぇな」

塩分制限もあって兄ちゃんはすげー厳しい。

そこまでしなくてもいいっての。

蓮「しゅん、今日病院だろ？？」

「ん！！」

蓮「母さんにも顔出してやれよ？？」

「分かってる・・・」

俺らの母さんは2年前、体を壊して入院した。

癌なんだって・・・。

しかももう長くないとか何とか・・・。

蓮「ちょ、時間やばい！！！洗い物いいから早く行きな」

「あ・・・やべ！！行ってきます！！！」

蓮「走るなよ！！！！」