41話 ページ42
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「さっき門のとこでAに会ったんだ」
「あ、そんなタイミング?私たちも少し前まで一緒にいたよ」
「A、いつもと違う格好してたじゃないか。たまにはああいうのも良いよね」
「わかる〜」
服を持っていてもなんやかんやで休日も制服着がちだから、高専生の余所行き姿はレアだと思う。
毎日同じ種類のシャツを着て、上を羽織る。そしてスカートとタイツを履けばもう完璧。こんな脳みそへのダメージが少ないファッションもそうそうないと思う。
「硝子はファッションとか興味ないのかい?」
「ん〜ないわけじゃないけど、その気力がない」
「そっか。まあ女性はただでさえ化粧やら髪型やら大変だもんね」
「よく分かってんじゃん」
さっきから黙ってじとっと夏油を見ている五条にウリウリとチョコを渡す。五条はハッとした様子で受け取ると、ロボットの起動スイッチが押されたかのように他のお菓子も普通に食べ始めた。
「このラムネだったかな。なんか美味しいらしい」
「どこ情報?」
「地元の駄菓子屋のおばちゃん情報」
「ふ〜ん」
「どう?なんか違う?」
「うーん美味しいけど、普通のラムネだわ」
そもそも普通以上に美味しいラムネってなんだ。美味しいラムネは美味しいし、マズいやつはマズい。それだけじゃないんだろうか。特別に何か美味しいとしてそれはラムネに必要な要素なのかどうかは一考の余地がある気がしてならない。
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作者名:梅昆布茶 | 作成日時:2023年9月1日 19時