38話 ページ39
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「あの、夏油くん」
「ん?」
「えっとその、夏油くんが優しいの私はとっても嬉しいから良いんだけど・・・」
どうにか夏油くんと話す時間を稼ごうと先行き不透明な会話を切り出す。
昔から思い切りだけは褒められてきた女だ。なんとかなるだろ。
「誰にでもそんな感じにしてたら、勘違いされちゃうよ・・・女子も大概単純だからさ!」
「勘違いするのかい?」
「するよ!気が使える男子はかっこいいってみんな思ってると思う」
「・・・Aは?」
「え、私!?わ、私はそういう勘違いはしないよ!一年も一緒に過ごしてたら夏油くんが自然にこういうことできる人なんだって伝わるし・・・」
なんとも言えない沈黙が流れる。すげえ気まずい。
思い切りの良さを褒められると同時に「行きあたりばったりなところは直せ」とよく言われたもんだ。
「あ、時間大丈夫?」
「うわっほんとだ!!バスもう来ちゃうじゃん!ごめん行くね!」
「うん、転ばないようにね」
「流石に大丈夫だよ〜!」
無事助かりました神様仏様。多分夏油くんも気まずかったんだろう。
なんとか活路を得た私は水を得た魚のようにその場を離れた。好きな人と話すって難しいなあ。
「勘違いか・・・それは君も同じじゃないか」
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作者名:梅昆布茶 | 作成日時:2023年9月1日 19時