29話 ページ30
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「す・・・も・・・の・・・」
「え、なんて?」
「ジジイかよ!傑も貰ったのかって」
「あーえーっとその、あれだ。あの、貰ってないな。うん何も貰ってない」
「いや別に素直に言ってくれていいけど」
斜め上からの質問にノーガードで私にしては珍しく嘘がバレてしまった。
悟がAを好きなのかどうかはまだわからないけど、さっきからチョコを握りしめているのが気になる。
「冷蔵庫入れるか早く食べるかしたほうがいいんじゃないのかい?溶けちゃうだろ」
「うわっ!そうじゃん!」
「あと髪も早く乾かしたほうがいいと思う。風邪引いても看病とか御免だからな」
「・・・傑っておかん味すげえよな。将来いい主夫になるわ」
「そりゃそうだろ。悟と一緒にしないでいただきたい」
「うわ嫌いになりそう」
この前硝子に”お前らBL本の一冊や二冊余裕で書かれそうなぐらいニコイチ”と言われが、私的にはそんなこともないと思う。高校生男児二人の会話なんて所詮こんなもんだ。
「そういや、この前貸した700円の返済がまだだったな。実家太いんだからさっさと返してくれないか」
「いやーそれにしても今夜は月が綺麗だなー」
「悟、誤魔化すなよ。ワードチョイスも私に言われると恐ろしくキモいし」
「わかった!わかったって!!俺が悪かったからまず後ろの諸君をしまえ!!」
所詮こんなもんだ。
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作者名:梅昆布茶 | 作成日時:2023年9月1日 19時