22話(一年前) ページ23
.
「これおいくら?」
「俺の奢り」
「はぁ?借り作るとか嫌なんだけど」
「人の好意ぐらい素直に受け取れよ」
よくわからないけどクレープを奢られてなんとも言えない歯痒さに苛まれていると向こうが口を開く。
「っつかさーなんで俺にだけそんな冷たいわけ?」
「・・・あんたの態度がデカいから」
「んだよ、そんな理由かよ」
「”そんな理由”が一番問題だってわかってないんでしょ」
「知らねーし」
横をチラッと見ると人の子とは思えないような目がこちらを見ていたからスッと目を逸らした。
この顔でどれだけいい思いをしてきたか知らないけど、これしきで私を引き込めると思うなよ。
「私からも質問。なんで急にこんなことしたの?」
「河井とちゃんと話したことなかったから」
「えっ」
「自分のこと全然話さねえし、お前のことよくわかんねえから」
確かにこんなやつに私の時間を使ってたまるかと思って避けていた節は大いにある。
これに関して言い訳するつもりはないけど、向こうも同じことを考えていると決めつけていた。
.
118人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:梅昆布茶 | 作成日時:2023年9月1日 19時