14話 ページ15
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「元気そうでよかった」
「うわぁ!びっくりした・・・居るなら居ると言いたまえ」
Aが早く終わらせたいと言い、それに私も賛成したことにより二手に分かれて祓うことになった。
彼女には比較的弱い方を任せたけど私の方が一足早く終わったようで邪魔しないように遠くで見守る。
「じゃあ行こうか?」
「やったー!終わったー!」
境界付近までくると、ふと悟の「ちゃんと守れよ」が脳裏によぎり後ろを振り向く。
彼女の後ろには新たに生まれたのか祓い損ねたのかわからない何かがむくりと起き上がっていた。
そして、咄嗟に飛ばした呪霊の奥でAがバランスを崩したのが見え、駆け出す。
「危ないっ!」
「・・・げとう、くん・・・」
私の2級呪霊は彼女の投げた呪具によって見事にお陀仏となり少々心を痛めた。
が、カッコつけたいという細やかな欲からアレは弱かったと嘘をついた。
「悟のせいかな」
「え、なんか言った?」
「いや、なんでもないよ」
にわかに上がる心拍数を誤魔化すようにAから目を逸らして帳を出た。
自分の腕の中に倒れるAと目が合ってから何かがおかしいのはあんなことを言った悟のせいだ。
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作者名:梅昆布茶 | 作成日時:2023年9月1日 19時