11話 ページ12
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「へへっ、傑にもそんなようなこと言われた」
「でしょうね。それが悩みですか?」
「平たく言えばな。なーんであんなこと言ったのか俺もわかんねえ」
「あなたにわからないことが私にわかるとでも?」
守ってやれと言うこと自体は普通にいいことだと思う。でも、それが五条さんとなると話は変わってくる。
弱い奴が死ぬのは弱いのが悪いみたいな外道も外道な考えが根底に巣くっている男だ。
「夏油さんに諭されて心変わりでもしたんじゃないんですか」
「あいつに諭されてたまるかよ!」
「じゃあ、なんですか。俺の大事な人だから守ってくれとでも言うつもりですか」
「っはぁ!?んなわけねえだろ!!ってそれもなんか語弊がある気がすっけど、とにかく違ぇよ!!」
なんだ、そういうことか。自分の考えていることで大方外れてはいないはずだ。
そう思うと目の前の図々しくて鬱陶しくて面倒くさくてとても尊敬には値しない大男が可愛く見えてきた。
「1億分の1ぐらいの確率だと思いますけど、頑張ってください」
「何がだよ」
「色々ですよ。あなたにもそのうちわかります」
「なにそのお先失礼しますねみたいな言い方!?なんかすげー腹立つわ」
一番の天敵がハイスペックな自分の親友だなんて想像もしていないだろうけど、これも何かの縁だ。
時々相談に乗るぐらいはしてあげてもいいかなと思ったのは熱中症のせいにしておきたい。
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作者名:梅昆布茶 | 作成日時:2023年9月1日 19時