私だけを見て【ハイキュー】【青葉城西】 (ページ3)

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英と一緒に体育館へ行って、ネットを一緒に立てたりボールの空気を入れたりしてると他の先輩方がやってきた。
「あっ、こんにちは！」
「やっほー！」
「よぉ」
及川さんと岩泉さん。この二人は中学から一緒だった。てことは英も勇太郎も一緒ってこと。
……飛雄もね？

「あーもう、可愛い可愛いぃぃぃ」
「ううー」
この間に続き、頬っぺたを優しく撫でまわされる。
「クソ川」
「ｱｯちょっと待って！！だって見て！このお人形みたいなお顔！超可愛すぎるでしょ！？」
「嗚呼、それは十分に分かってる。俺はAの作業邪魔すんなっつってんだよ！」
「いだっ！」

思い切り投げつけられたバレーボール。私に当たらないようにしてあるのが岩泉さんらしい。

「ごめんなA、邪魔して」
「いえっ！全然大丈夫ですっ」
岩泉さんに優しく頭を撫でられる。
そして、お礼として渡されたいちごミルクの飴。

岩泉さん、ギャップが……。
「部活の後にいただきますね！有難うございます……！」
「おう、今日もよろしくな」
「はいっ」
ニカッと笑った岩泉さんは、床に転がったままの及川さんを引き摺りながら更衣室へ向かっていった。

それから暫くして、他の先輩方も集まってきた。
「えーと、後は昨日の子だけだね」
「あ、そういえば昨日の奴、転入生だったらしいですよ。Aちゃんと国見のクラスだそうで」
矢巾さんがそういうと、花巻さんが納得、と言うような顔になった。

「あー、だから誰も知らなかったわけね」
「そうですね」
……噂をすれば、とは本当にあるようで。
齋籐さんが現れた。

「遅れてすいません」
「今度からはもーちょっと早く来てね～」
「体育館の場所わかんなかったんで」
「昨日どーやって来たんだ？」
「先生に教えてもらいました」

しれっと集合の輪に入る齋籐さん。むかつく～。
「じゃ、ちょっと自己紹介してもらえる？」
「齋籐梨乃。一年六組。よろしくお願いします」
軽く頭を下げた齋籐さんに、まばらな拍手が返っていた。

「よし、じゃあAちゃんマネ業教えてあげてね～」
「了解ですっ」
「今日もよろしくな～」
「任せてください！」
松川さんに言われて、軽く敬礼して返事する。

「敬礼するなんてあざといな」
「英、失礼！」
「はいはい、じゃあ頑張れよ」
「英こそね」

くしゃりと頭を撫でて、ダルそうにアップを取りに行った。
……サラッとカッコいいことするなあ。

この一連のやり取りを、齋籐さんは様子を窺うように見ていた。