【ヒロアカ】希少価値【MHA】 (ページ2)

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「出久、一緒に帰ろ」
「う、うん！」
「おいデク、大人しく引っ込んどけや」

ボフン、と爆破させながら言われては出久も頷くしかない。
私は出久にごめんね、と言い勝己の後ろを着いていった。

「もう、なんで勝己は私には優しくするのに出久にはキツイの？」
「………お前は守んなきゃいけねぇだろ」

ぼそりと呟かれた言葉に、思わず笑みが零れる。
「ふふっ、ありがと」
「うっせー」

そう笑っていると、不意に後ろから変な音がした。

「ッA！！」
「Sサイズの隠れミノ…良質！」

刹那、私はドロリとしたナニカに覆われた。

「大丈夫、苦しいのは45秒さ、身体を乗っ取るだけだ」

息をしようと大きく口を開けた瞬間、ソレは体内へと流れ込んできた
「ん～～～っ！！」
「クッソ…！」
勝己が必死にソレを私から剥がそうとするけど、掴めない。

「ん゛～～！」
「おい！しっかりしろ！今助けてやる！！」
「こりゃ大当たりかな？力が沸き上がってきやがる」

次第に人が多くなり、私は野次馬にぐるりと囲まれてしまった。

こんな苦しいのに、なんで誰も…っ！
息もできない、体に力が…
そろそろ限界近い、意識も朦朧とする。

「なんでヒーロー助けないんだろ？」
「中学生の女子が捕まってるんだと」
群衆のそんな声もだんだん遠くなってきた。

「ん゛っ………」
「はは…お疲れさん」

あ、ヤバい。

トぶ

「A！！！」
「Aちゃん！！」

遠く聞こえたのは、その二つ。
ぼやける視界に映るのは、あの二人だった。