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ぴんぽーん、といつも決まった時間に鳴らされるインターホン。
カメラを見ると、いつも通り勝己が立っていた。
「はいはーい、ちょっと待ってね」
そう答えて、机の上にあった鞄を引っ手繰るように手に取り、慌ただしく家を出る。
「お待たせー」
「おう」
二人で肩を並べて、他愛もない話をする。
勝己と出久と私は、幼馴染だ。
しかし、何故か勝己は出久にだけいつも当たりがきつい。それを宥めるのが大体私の役目だ。
勝己、本当は優しいんだけどなあ。なんて思っていると、あっという間に学校が目の前に。
いつも通りの教室へ入り、いつも通りの席について女の子のお友達と話す。
あ、中学最後に勝己も出久も同じクラスになれたんだよな。嬉しかった…。
それから朝のホームルームが始まって、まあいつも通りの授業が過ぎていく。
最後の六限目、学活の授業。
担任の先生がやってきて、コホンと咳払いを一つした。
「えー、お前らも三年と言うことで、本格的に将来を考えていく時期だ！」
偉く熱が籠っている。
「今から進路希望のプリントを配るが………だいたいヒーロー科志望だよね」
そういうと、クラス中個性が溢れた。
「うんうんみんないい個性だ。でも校内では個性発動は原則禁止な！」
ちらっと出久の方を見ると、居心地が悪そうに小さく手を挙げていた。
「せんせぇー、皆とか一緒くたにすんなよ！」
………勝己がまた何か言ってる。
勝己は個性凄いし、もともとの運動能力も良い。ヒーロー向きだ。
「爆豪は雄英高志望だったな」
と先生が言うと、周りは驚きの声でいっぱいになった。
まあ今年の偏差値79だしね…。
「あ、そういえば緑谷と治陵も雄英志望だったな」
その一言で、空気がガラリと変わった。
刹那、下品な笑い声がゲラゲラと聞こえる。
「はぁ？無理っしょ！」
「勉強できるだけじゃヒーロー科は入れねーんだぞ！」
「二人とも没個性どころか無個性なのにな！」
…頭来るわ、別にどこ行こうが勝手じゃん………！
それに、無個性って決めつけないで。
私は治癒の個性があるし、出久だって個性が現れるはず。
そんな事を考えていたら、勝己が出久の机を爆破した。
「没個性どころか無個性のてめェがなんで俺と同じ土俵に立てるんだ！？」
「待っ、違う待ってかっちゃん」
見てられなくて、私は思わず出久の前に飛び出した。
「勝己、やめて」
「チッ…」
大きな舌打ちをし、自分の席に戻る勝己。
…はぁ
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作者名：まる | 作成日時：2018年6月20日 20時
