〝うめきた〟って何ですか？【梅原裕一郎】 (ページ35)

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モジモジしてるページ35

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「あ、」

仕事が終わり、飲み物を買おうとコンビニに入ると北森が昨日飲んでいた梅のジュースが売っていた。

…新作なんだ。これ結構おいしかったな。

とくに何も思わず手に取り、会計に足を運ぶ。

が、

「北森の分も買ってやろう」

と、思いついてしまったのは仕方がない。

売り場に戻り、もう一本手に取り、会計をしに行った。

帰り道は足取りが軽かった気がする。

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「え、あ、梅原…」

タイミングがいいのか悪いのか、そこには俺の家のインターホンを押す北森が立っていた。

「…どうしたの」

「いや、そのー…。晩御飯を一緒に食べたいなーっと思って…」

昨日くらいから思っているけど、

北森どうした？

明らかに様子がおかしい。

今だってすごいモジモジしてる。
いつもならそんなにモジモジせずに

「やっほー！晩御飯食べよーよ！」

って言うはず…

「うん、食べよ。」

「あり、がとう(どう？にしゃーま！アタックできてる！？)」

自宅の鍵を開け、モジモジしている北森を招き入れる。

「お邪魔しまーす…」

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晩御飯は一緒に作った麻婆豆腐を食べた。

作ってる時も、何だかあたふたしていておかしかったが、おいしい麻婆豆腐に免じて目をつぶってやろうと思った。

現在はソファーで雑談中。
いつもなら北森から話し始めて、俺はほとんど聞くだけだったが、俺の隣にちょこんと座り気まずそうに沈黙が続く。

「(何を話せば…)」

そうだ。
あのジュースを渡してやろう。

これで少しは話がはずむだろう。

「はい、これ」

「え、これって…」

「コンビニに売ってた」

俺からジュースを受け取った北森はみるみる顔を赤くしていく。

「…！！」

なんなんだいったい…

「あ、ありがとう。私、そろそろ帰るね…！！」

「お、おう、」

「じゃあね！！」

と、チラッと俺を見ていつもの見送りもする隙もなく、逃げるように北森は帰っていった。

…この調子で夏祭り、大丈夫か？

夏祭りは明日。

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