【ONEPIECE】ごめん、離せない。 (ページ4)

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▷ 幼少期４ページ4

「オラ、もうガキは家に帰らねえと怒られる時間だぜ。ルフィ、Aのことちゃ〜んと家まで送るんだぞ？」

「当たり前だ！行くぞ、A」

「う、うん……。マキノさん、ごちそうさまでした」

「いいえ。またいつでもいらっしゃい」

「んっ！」とルフィが手を差し出してきたのでその手に自分の手を乗せると、朝のように離れてしまわないようしっかりと握られる。道も覚えているし、私は1人でだって帰れるけど、ルフィの中で1日の始まりは私の手を取って外に連れ出し、ちゃんと家まで送り届けることで終わるみたい。

でも確かにルフィの子供体温で温かい小さな手が私の手を掴んで離さないでいてくれるのは、凄く安心する。シャンクスさん達からすればルフィが「おれは強いんだっ！」と言う度に子供の戯言のように聞こえるかもしれないけど、私からしたらルフィは頼もしいヒーローだから。……さすがに毎日連れ回すのは、少しやめて欲しいけど。

「じゃ、また明日な！」
「……うん。おやすみ、ルフィ」

⚚

翌朝も8時過ぎにルフィは家の前に現れた。まだ僅かに眠たくてしょぼしょぼする目を擦りながら家を出ようとすると、お母さんが「つい最近、山賊がこの辺りに出たらしいから気をつけてね」と不安げな表情を浮かべながら私の頭を撫でた。うん、とその言葉に頷いて家を出て、ルフィと手を繋いで歩き出す。

なにやらルフィは何か企んでいるようで、「今日こそシャンクスにおれが遊び半分なんかじゃない証拠を見せてやる！」と言って、ニヤついている。とても嫌な予感がした。

「ルフィ……危ないこと、しちゃダ、ダメだよ……？」

「海賊になるなら危ないとか言ってられねえ！今度こそシャンクスに航海に連れて行って貰うんだ！」

「あ、ルフィ……！」

いてもたってもいられなくなったのか急に全速力で走り出したルフィに引っ張られてしまい、私まで走る羽目になる。心の中でせっかく今日は歩いていけると思ったのに…と酷く落胆しながら、短い足を精一杯動かして転んでしまわないように走った。

今日は酒場には向かわず、シャンクスさん達が航海をするときに乗っている船が停泊している港へと直行する。船の上では船員達が航海に必要な物資を積み込んだりする作業をしており、忙しい中にお邪魔するのは気が引けた。しかしルフィは遠慮なく船に上がり込んでいく。

そして、船首に1番上に立つとどこからともなく取り出したナイフを掲げ＿＿刃先を自身の頬に突き刺した。