【ONEPIECE】ごめん、離せない。 (ページ3)

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▷ 幼少期３ページ3

「いらっしゃい、A。今日もルフィと一緒なのね。ふふっ、相変わらず2人は仲が良いわね」

「ジュース、ありがとうございます……。ルフィとは……毎日連れ出されてるだけだから、仲が良いのかは……よく分からない」

「あら、そうなの？でも私から見たら、ルフィはAのこと大好きに見えるわ」

マキノさんから頂いたジュースをちびちびと口に含みながら、シャンクスさんと一緒になって言い争いをしているルフィを横目で見る。ルフィはどうして私みたいな何の取り柄もない鈍臭いやつを毎日飽きもせずに連れ出すのかな。もっと他に一緒にいて楽しい子がいるはずなのに……。

しばらくしてようやく言い争いが落ち着いた2人は大人しくカウンター席に座り、ルフィもマキノさんからジュースを、シャンクスさんは追加の酒瓶を貰う。そしてコップに並々と注がれたジュースをごくごくと一気に飲み干したルフィは、今度はキラキラとした視線をシャンクスさんに向け、「なぁ、また海の楽しい話聞かせてくれよ！」と言った。

……また、いつもの流れ。

「そうだな〜。んじゃ、前の航海で海の巨大生物に会った時の話だ＿＿」

「きょ、巨大生物！！」

＿＿シャンクスさん達は、海賊だ。海軍に追われている人達。私がシャンクスさんを苦手なのは多分これが1番大きな理由。だけどこれでもかなりマシになった方だと思う。初対面の時は、突然この村に来た海賊にとても驚いて警戒している村の人と一緒にシャンクスさん達を睨み付けていたっけ。

でも、ルフィは違った。海賊になりたいと言っていたルフィは海賊であるシャンクスさん達を心から歓迎していた。それにシャンクスさん達は私達が知っている海賊とは少し違くて、村から金品を強奪するようなことはなく、ちゃんとお金で食べ物や酒を買うし、賑やかで面白くてすぐに村に溶け込んだ。

そんなシャンクスさん達を間近で見ていたせいでルフィはますます海賊への憧れが強くなっていった。

私はまだシャンクスさんが少し怖いけど、彼らが私達に害を与えるようなことはないと分かっている。そのうち、私も慣れる日が来るのかもしれない。その日がまだ今日ではないというだけ。

シャンクスさんが話してくれる“海の話”は嘘みたいな話ばかり。でも話してくれること全て、本当に起きたこと……らしい。海賊になりたいと思ったことはないけど、シャンクスさんのする海の話が本当にあるのなら、この目で見てみたいなと思った。