【ONEPIECE】ごめん、離せない。 (ページ17)

今日:35 hit、昨日:92 hit、合計:3,609 hit

▷ 別れ４ページ17

「おれとの約束、絶対に破んなよﾞっ！！」

⚚

「もうAも17になるのかぁ〜……、やっぱり子供の成長は早いものね。お母さんもすっかりオバサンになっちゃった」

「もう……それ昨日も同じこと言ってたよ、お母さん」

「あら、そうだったかしら？」

＿＿10年。

ルフィとフーシャ村で別れたあの日から、約10年の時が過ぎた。少しずつ歳を重ねながら思い返すと、私の唯一の友達とも言えるルフィと過ごした日々は何よりも楽しくて、当時の私にはまだ理解しきれていなかったけれど、確かに私はあの時間が何よりも大好きだった。

引越しのことをルフィに告げた翌日、私達はすぐに隣の村に引越しをした。フーシャ村を発つ日、私は少しだけ泣いてしまったけどルフィは少しも泣かなかった。きっとルフィは、私が彼とした約束を破ることはないと確信していたから泣かなかったんだと思う。必ずまた会える日が来るからと、信じていたから。

引越し先は隣の村だけど、一見距離的に近いように思えるが実は隣の村に行くまでに山を超えないといけないので、私やルフィの足では気軽に会うということもできず、結局この10年間、ルフィとは一切の連絡を取っていない。ルフィは10年前にしたあの日の約束を今でも覚えているのかな。何だかんだ忘れっぽい所があるからなあ……ルフィ。

ルフィは“17になったら海に出る”と言った。私はもう少しで17になるけど、ルフィが17になるまでにはまだ時間がある。ルフィのことだから宣言通り、自分が17になるまでは絶対に海に出ないはず。
再びルフィと出会う具体的な日を決めていないから、ちゃんと会えるかは心配だけど……。

だけど、それ以前にもう1つ……いや、2つの問題がある。

それは……

「そういえば前に言った酒屋さんの息子さんとのお見合い、もうすぐね。優しい人だし、Aと相性抜群だと思うの。上手くいってAが幸せになってくれたら、お母さんもう思い残すことはないんだけどねえ〜」

＿＿お母さんに何と言って海賊になるか、あと、3日後に迫るお見合いをどう切り抜けるか、である……！！！

「あ、アハハ……私、まだ結婚とかあんまり考えてないし……お見合いとかしなくても……」

「コラ！いつもそう言って、色んなお見合い断り続けて！今回は必ず行って貰うからね！」

「あ、はい…………」

私の幸せを願うお母さんに、どう伝えれば良いんだろう。