誰よりも優しいあなた【Yuta.J】 (ページ17)

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神宮寺side

鍵を握らされて突然走っていった一条さん

いま一瞬だけど

泣いてなかった…？

さっきまで普通だったよね

電話か…

玄『行かなくていいの？神宮寺』

平『車で待ってるしさ、一条さん連れてきてよ。』

メンバーの目は至って真剣だった

俺は鍵を紫耀に預けて、一条さんの後ろを追った

すぐだったのに居なくて…

どこいったんだよ

一条さんがよく行く場所…って…

あっ

ガチャ！

屋上

屋上の椅子に座った一条さんがいた

一条さんは静かに泣いていた

初めて見た

その瞬間自分でも無意識に一条さんのこと抱きしめてたんだ

神『どうして1人で抱え込んでんすか。頼ってっていってるじゃないですか…』

一条『どうして…』

神『泣いてるじゃないですか。一条さんが1人で泣いてるとか想像するだけでも嫌なんで。俺のとこで泣いてください。』

一条『大丈夫ですよ…すみません。』

一条さんなにに、思い詰めてんすか…

時々見えるんだ

落ち込んでるってゆーか、なんかなにもかも抜けたような

そんな様子

神『何があったか言ってくれません？俺だけでもいいっすから』

一条『…大丈夫です。プライベートなことなので』

神『俺じゃ、相談相手にもならないっすか…年が離れてるから？…マネージャーとアイドルだから…？』

多分答えは両方

一条『神宮寺さん…私……。いやっ、なんでもないです。行きましょっか』

一条さんは立とうとした

そうはさせなかった

神『一条さん…。俺、一条さんのこと大事なんすよ…。だから守りますから…。だから本当に頼ってください。力なりますから。』

もう俺自分で気づいた

俺一条さんのこと本気で好きなんだわ

キッカケとか分からない

マネージャーだから好きとかでもない

ただただ1人の女性が好きなんだ

神『俺、一条さんのこと…』

一条『神宮寺さん…。送りますから帰りましょ』

その先は伝えさせてはくれなかった

これ以上言ってはいけない…

一条さんわかってるんでしょ？

だけど知らないふりしてる

一条さんが思い悩んでた理由の大きさにも気づかなかった俺は本当に情けないけど