星屑のスパンコール3（Ryuto.S）

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知る由もなかった事実に驚きながら、ふと今日渡すつもりだったものを思い出して慌てて持ってきた紙袋を差し出す。



｢実は今日授業の合間であんまり時間が無くて……これ、つまらないものですが｣


｢え〜これ有名なお菓子屋さんのじゃないの！こんな高いもの貰っていいのかしら……｣




いいんです、お2人には感謝してもしきれないので、と言うと心做しか2人が涙目になるのでめちゃくちゃ焦った。



｢なんだか、ずっと気がかりで……何も考えんで2人を近づけたばっかりに、悲しい想いさせてしまったなあって……｣





｢それは違います！！！！｣





うわっまたお嬢ちゃんデッカイ声出すねえとおじさんが笑った。ちょっぴり反省。





｢私、龍斗……作間龍斗くんと過ごせた1年間、本当に幸せでした。今思い出しても胸が苦しくなるくらい、大好きで、あの時間が愛しくて、青春でした。だから、本当に本当に、お二人に感謝してて……｣





あの1年間の事を私は一生、忘れない。





ひとつひとつの思い出を、宝石箱にしまうみたいに大切にとっておいてるから。





私がそう言うと2人とも号泣しながら良かった、良かった、と私の肩を叩くのでこっちまで泣きそうになった。本当に優しい人たちだ。でも肩はちょっと痛かった(笑)




｢ううっ……聞いたかいちょっと、アタタタタ！｣

｢えっ大丈夫ですか？！なんか今鈍い音が……｣

｢ガハハ……大丈夫じゃ、｣




いやフナ子さん笑ってるけどドS？！心配とかないの？！なんか膝痛そうだよ？！





｢……ところでお嬢ちゃん時間は大丈夫なのかい？授業の合間なんでしょう？｣




ハッ！！！！しまった忘れてたまた先生に嫌味言われる！！、！







｢ごめんなさい今日はこれで！！！失礼します！！！｣









そう言って私は、木枯らし書店を後にした。






今までここに来なかったのは、ここで過ごした日々を思い出すのが辛かったからだ。でも今ならもう、行ける気がしたんだ。だから私も少しずつ、前に進めてるのかな。………でも。







木枯らし書店も、木枯らしおじさんもフナ子さんも、……そして、龍斗も。







私は今でも変わらずに、皆のことが、大好きだ！

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