星屑のスパンコール2（Ryuto.S）

70 大好きで大嫌いな｢おやすみ｣ ページ21

そうそう、電話が心地良すぎて寝落ちした！なんてことも…


この間も気づいたら寝落ちしてて、翌朝、｢作間くんの話が面白くなかった訳じゃないよ？！｣ってラインしたら｢いいよーだ、Aのいびき聞いちゃったもんね〜(笑)｣って来て固まってたら｢うそでぇ〜す。ンハハッッ｣って発作気味のボイスメッセージが来たっけか……

なんか、今思い返すと結構カップルじゃない？あの会話………(結構カップルとは)



｢あのーぉ。Aさんきいてますぅ？｣


｢！ごめん全ッ然聞いてなかったぁ！！もっかい言って！｣

｢全ッ然って(笑)Aってたまに上の空だよね(笑)｣


妄想と思い出し照れ(？)が止まらないから……とは言えるはずもなく、ごめんごめん(笑)って流した。




｢そっちは？最近なんか珍しい事とかあった？｣




珍しい、事……

思い出されるのは、ふわふわ揺れるボブ。




｢ううん、今日も菜花とケラケラ笑ってたら1日終わった(笑)｣


余計な心配はかけたくない。それに要注意とはいえ、作間くんのファンではなかった訳だし。



｢でた、菜花ちゃん！本当に仲良しだね｣


｢うん、たまに悪魔モードの作間くんに似て……｣


｢何？悪魔モードって｣


｢いやいや！なんでもない(笑)｣



なんだよぉ〜って笑う声にも、好きが溢れて。



｢作間くん、好き｣


｢どうしたの急に(笑)照れるじゃん｣


｢好きだよ〜……｣



うん、俺も好きだよって優しい声で言う作間くん。まるで、すぐ近くで頭を撫でてくれてるみたいで。


本当は、毎日でも会いたい。でも頑張ってる彼を見てたらそんな我儘、言えるはずもなくて。


｢A？｣

｢うん｣

｢会いたいねぇ｣

｢……うん｣



まただ。私が楽しいって感じてる時は楽しいねぇ、寂しい時は寂しいねぇって。


｢なんか作間くん、エスパーみたい(笑)｣


｢なんでだよ(笑)……んーきっと、おんなじなんだよ。俺はAが楽しい時は楽しいし、寂しい時は、寂しい｣


だからまたすぐ会わなきゃね、時間できたらすぐ連絡するから、って。




｢あーあ、永遠にこの時間が続けばいいのに｣

｢そしたらもう一生会えないよ？(笑)｣

｢えーそれはやだ！！！｣

｢お互い明日も早いから寝よっか｣




黙っちゃう私に、彼はいつも｢大丈夫、すぐ会えるから｣って言ってくれる。




｢おやすみ｣



一日の終わりに愛しい人と話せた喜び。この電話が終わってしまう寂しさ。



その一言を合図に、私は今日も眠りにつくんだ。

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