星屑のスパンコール（Ryuto.S）

33 菜花の忠告 ページ33

菜花に、今日の事は明日報告するね……！！って言うと、そんなの分かってるよ。ボロが出ないといいね。って、なんで菜花はいつもそういうことを…………って項垂れてたら菜花が、





｢あと、本気で好きにならないようにしないとね？｣




……ってそれ、





｢……どういう意味、？｣



｢アイドルとしての好きと、人間としての好きって違うでしょ。頻繁に会ってたら、本気で、欲しくなっちゃうかもね。作間の事、独り占め。｣



……作間くんを、独り占め？



｢ん〜〜？？菜花、何を言いたいの？｣


｢アイドルとの恋に良いゴールなんてないと思うよって言ってんの。心配なんだよ、私は。｣






菜花………………。






｢可愛い〜〜〜〜ッ！！！！！｣


菜花に勢いよく、抱きつくと、｢ちょっと重い！｣なんて、少し口の端を上げてる。


菜花は、いつも私の事を心配してくれる。ぶっきらぼうで口は悪いけど、いつでも私の味方でいてくれる。



でも、そこまで心配する？！私と作間くんが恋……なんて、そんなバカな。
私はきっと、作間くんに面白がられているだけだ。


それにみんなの作間くんを独り占めする気なんて、更々……1ミリも無いと言ったら嘘になるけど、作間くんが大好きだからこそ、恐れ多い。





それに作間くんにはもっと相応しい素敵な女の子がいるだろう。
誰とかは知りたくないが。


とにかく明日ね！！まずは早くご飯食べなきゃ！！って菜花に背を向けて、駆け足で帰る。





｢……また私の言うこと当たっちゃうかなぁ｣

って呟く菜花にも気づかずに。








ちょ、冷静に考えたら、作間くんから会おうって言ってくれたんだよな。


嬉しい。


ニヤニヤしながらご飯を食べるもんだから、食器を下げながら弟が｢気持ち悪っ｣て。





この状況でニヤけない方がおかしいだろうがよ！！！

なんとなく家族にも言えない、というか言っても絶対｢ねえAが頭おかしくなった！！｣とか言われるだけだ。





ご飯を食べた後、軽くメイクをして気合いの入りすぎてない、でもお気に入りのワンピースを着る。

コンビニ行ってくるとか適当な嘘をついて、家を出た。今後の為にももうちょいマシな嘘考えとかなきゃな〜。



自転車で10分もかからない位で木枯らしおじさんの家に着いて上を見上げると、窓から顔を出して、ぽけーっとしてる……


｢作間くん！｣






この時、こっちを見てから、へへって口角を上げた彼の顔を私は、一生忘れないと思う。

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