星屑のスパンコール（Ryuto.S）

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……そうだよ、冷静になれ私。





謝ったからって向こうはもうそんなこと覚えてないかもしれないし。






私が今作間くんにしてあげられる最大限の良い事は、ファンとして作間くんを、HiHi Jetsを応援してあげる、ただそれだけ。








……だから、今ここを立ち去るのが、ベストだ。








ドル誌の中をパラパラとめくって、作間くんのいるページだけ少し見た。……ああ、かっこいい。









作間くんがいる手前ドル誌をレジに持っていくことすら躊躇った私は、結局何も買わないですぐ立ち去ることを決めた。









……決めた、はずなんだけど。







立ち去ろうとした瞬間、誰かに手を掴まれた。






馬鹿な私は(……作間くん？！)なんて思いながら振り返る。









……でもそこには作間くんじゃなくて、なんとも怖い顔をした店主の姿。









｢……え、なんですか？｣









『君、万引き？』









……は？と思いながら驚いて自分の手を見ると、ドル誌を持ったままだった。






しまった、考え事をするとその事しか考えられなくなるのは私の悪い癖だ。






でも傍から見たら、ドル誌を持ったまま店出ようとしてたってこと。万引きだと思われて当然だ








｢……すいません、考え事してて……でも本当に盗む気なんて少しも、｣





と私が言い終わる前に店主が






｢そんなの誰だって言える言い訳だよ。とりあえず親御さんに連絡したいんだけど、家の電話番号は？｣









……ああ、最悪だ。








周りからは｢え〜万引き？信じられない｣ ｢あの子椎名さんちの子じゃない？｣なんて。





バカな上に、なんて親不孝者なんだよ、私。




きっとこのバカでかい声は、店内にいる作間くんにも聞こえているだろう。








……もう、いいや。ていうか、今すぐ消えたい……









そんな事を思っていたら、









ねえ、おじちゃん、って、聞きなれた声。









｢その子そんなつもり無かったと思うけど｣









唯一庇ってくれたのは、私が一方的に夢中になっている、彼だった。

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