私、大家になります！～ARS～6 (ページ7)

今日:25 hit、昨日:3 hit、合計:33,209 hit

・ページ7

“底無し沼”

…その単語が、私の身体の上にずっしりと重くのしかかった

美和「だから、彼はいつも不安なんだと思う。いつ、自分のポジションが誰かに奪われるのかって…。奪われたら、俺は必要とされなくなるって…」

同じようなことを彼も言っていた
兄貴的ポジションが私に奪われそうで怖かったと…

その恐怖から逃げるために、彼が取った方法は
最悪にも自分で自分をキズツケルという方法だったってことか…

A「私達はどうすれば」
美和「櫻井さんに“私は、貴方のことを信頼している”ということを言葉と身体で分かりやすく何回も伝えて欲しい
それだけでも彼は安心するし」
A「う、うん…」

勝希「問題は、大野の見た夢だよな…
内容は分かるか？」
A「…実のご両親に櫻井さんが連れてかれて、それを見ている自分が助けに行こうとしても足が動かないって…」
勝希「そうか…それに関しては現実の問題を解決しないとだな…」

ですよね…

勝希「取り敢えず、二宮の件と一緒に引き受けるわ。奴等の動向を探って、逐一お前に報告する」
A「ありがとう、私達のために…」
勝希「何水くさいこと言ってんだよ！弟と妹のピンチを助けるのは当たり前だろ？」

何だろ…勝にいの言葉が凄く温かい
こんな温かい人が世界中に沢山いたら、悲しい思いをする人が減るのにな

勝希「…さっきからいるのは分かってるぞ。
そこで盗み聞きしてねーで、さっさと姿を現してこっちへこい」

そう言いながら、突然勝にいは立ち上がり
リビングから出て誰かを連れてきた

その人物に私は驚いた

A「…え、まーちゃん？」