私、大家になります！～ARS～6 (ページ47)

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智side ページ47

美和「ふふ、そんなに急がなくてもよかったんですよ？」
智「いや、ちょっと色々あってつい…」
美和「その色々は…あとで聞きますね？」

そう会話をしながら、おいら達は彼女にカウンセリングルームへ案内された

その扉には白い紙で［美和の部屋］と書かれた手作り感のあるものが

和也「美和の部屋って…○子の部屋かよ」
美和「ふふ、そうやって最初から突っ込んでくれたのうちの旦那に続いて2人目だわ」

そう笑いながら彼女が入っていってしまったため、慌てて後に続いた

入ってみると、おいら達が恥ずかしくて逃げたくなるような
THE女の子の部屋だった

美和「翔くん、今日先生、いっぱいぬいぐるみ用意したんだけど…どうする？」
翔「このまえの、くまさんがいい！！」
美和「ふふ、いいわよ？持ってきて」

先生がそう言うと、嬉しそうにバタバタと取りに行く翔くん
すると戻ってきた彼の手には、等身大のくまのぬいぐるみの他になぜか3匹のぬいぐるみが

翔「はい、さとしくん」
智「え？あ、はい」
翔「はい、かず」
和也「う、うん？」
翔「はい、せんせー」
美和「ふふ、ありがとう」

順番においら達に渡されたぬいぐるみ達
ちなみにおいらは猫
和は犬
先生はうさぎのぬいぐるみが渡された

どういうことだ？
和と顔を見合わせて、頭にはてなを浮かばせていると
先生が教えてくれた

美和「一番最初、ここでカウンセリングをやった時、Aちゃんもここのぬいぐるみを抱きながら参加したのよ
それを彼は覚えているのね…
ここでお話をする時は、ぬいぐるみを持ってやるってこの部屋に来たらの流れを考えていたのね」

そう言いながら、彼女は柔らかい笑顔で翔くんを見つめている
当の本人はそんな視線を気にすることなく、くまのぬいぐるみを持ったまま和に話している

翔「くまさん、ひさしぶり！
このひとが、しょうといっしょのいえにすんでいるかず！」
和也「ど、どうも？くまさん、和です。翔はお世話になっています」
翔「んふ、くまさん、しょうね？くまさんにおはなししたいことがいっぱいあるの！」

そう言い、楽しそうにくまのぬいぐるみに話しかける彼
かわいい…かわいいんだけど、今日はぬいぐるみにお話にきたわけじゃないんだよな…

美和「ふふ、翔くん
くまさんとのお話もいいけど、先生ともお話して欲しいな？」
翔「せんせーと？」
美和「先生だけじゃないよ？智くんも和も、翔くんがくまさんばかりと話していたら、泣いちゃうんじゃない？」