私、大家になります！～ARS～6 (ページ39)

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その次の日の夜
まーちゃんと同じように、翔も私の部屋へ夕食後に呼び出した

彼は、昨日の私がまーちゃんを呼び出した様子を見て勘づいたようで
私の部屋へ入った瞬間

翔「俺のもダメだったんでしょ」

と切り出した

A「何のこと？」
翔「惚けないで！俺が欲しいと思ったプレゼント、サンタさんにダメって言われたんでしょ」
A「翔、それは」
翔「雅紀は何を頼んだのか知らないけど…つまり、俺のと雅紀のやつはサンタさんに断られたんでしょ」
A「違っ」
翔「はは、やっぱりサンタはいい子が願うプレゼントしか聞かないんだな…
それはそうか、俺が願ったものは普通のいい子は願わないもんな
でも、ダメかよ
俺が欲しいのは、これなの
物なんてお金貯めれば買えるだろ？
だから、俺はどんなにお金を払っても買えないものを頼んだのに…やっぱり、サンタなんてクソだ」

そう言うと、彼は悔しそうに拳を握りしめ
自分の足を叩いた

A「翔」
翔「姉ちゃん、俺いいや」
A「いいやって…」
翔「俺は、サンタからのプレゼントなんていらない
その代わり、雅紀のは叶えてあげて？
あいつの方が俺より全然いい子だし…あいつの方が俺なんかよりプレゼントをもらうのにふさわしい」

“そんなことない”
私はそう言いたかった

でも、翔の泣きそうな表情を見てしまったらどう返しても彼を傷つけてしまいそうな気がして…言えなかった

翔「じゃあ、サンタさんにはそう伝えておいて？」

そう言うと、彼は私の方を見ることなく
部屋を出ていった

扉が閉まった瞬間、私は足から崩れ落ちた
そして、私の目からは温かいものがぽろぽろと流れ出した

悔しい…何もできない自分が
何も言葉が出てこない自分が

まーちゃんがサンタさんからプレゼントをもらったことないことを聞いて
それを叶えたかったはずなのに…

その結果がこれ？
サンタさんからもらったことないというまーちゃんと翔の心を傷つけて
何がやりたかったの？私は

中途半端にやるんだったら、サンタの真似事なんて
…やるんじゃなかった