私、大家になります！～ARS～6 (ページ30)

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それを合図に、私達はそれぞれ食べたいものを選び食べ始めた

ちなみに、和はハンバーグ、まーちゃんは唐揚げ、私と翔はオムライスで潤はかにクリームコロッケ、大野さんはナポリタン

何か、いつもお店で賄いとして食べているから
この家でこうやって皆で食べているのは、少し不思議な気持ちになる

雅紀「うまっ！この唐揚げうまいよ！」
潤「ふふ、それ、俺が揚げたんだよ？」
雅紀「そうなの！？潤ちゃん天才！」
潤「大袈裟だってー」
智「…んじゃあ、これも潤が？」
潤「そう！悟兄ちゃんが翔にいと和とお喋りしててサボっていたから
全部俺が作ったの」

ぷんぷんと音が付きそうな勢いで料理を食べる潤
…まぁ、悟兄ちゃんも自分よりも潤が作った方が、私達が喜んでくれるとでも考えたのだろうけど

…本当にサボっていたのなら、話は別だけどね？

翔「…ねぇ、姉ちゃん」

すると、私の隣で食べていた翔から小声で私を呼ぶ声が
声色的に私だけに話したいことがあるのかと思い、彼の口元に耳を近づけた

翔「今までごめんね？そのー…色々と」
A「しょうがないよ、翔にとっては得体の知れない奴だったし」
翔「それでそのー…智く…兄さんにも今まで迷惑をかけたことと、お礼を言いたくて…何て言えばいい？」

兄さん…それが彼が大野さんに対して呼ぼうと思った呼び名か
ふふ、絶対大野さん泣いて喜ぶよ

翔「…姉ちゃん？」
A「私が、大野さん呼ぶ？」
翔「え、今？！ちょっと心の準備が」
智「なーに？」
翔「え？！」

ごめん、もう呼んじゃった

智「翔くん、Aちゃんが翔くんが話あるからって言ってたから来たんだけど…」
翔「あの、その、えっと…」
智「ん？」
翔「に、兄さん！その…今まで迷惑かけてごめんなさい。それから俺のことをいっぱい助けてくれてありがとう。これからも迷惑かけると思うけどよろしく」

全部言い切る前に、大野さんは翔を抱き締めた

智「何なんだよもう…」
翔「え？」
智「翔くん、どんだけ俺を泣かせたいわけ」
翔「…ごめん」
智「翔くんは、この家に来た時からおいらにとっては初めての弟なの！だから…これは嬉し涙！」
翔「え…？」
智「いいか、翔！おいらはお前の兄ちゃんなんだから、これからはいっぱい甘えてこい！分かったか！返事！」
翔「は、はい！」

彼の返事を聞くと嬉しそうに涙を流しながら
彼の頭を撫でる大野さん

ちらりとテーブルを見ると、いつの間にか開けられたカンビールが一つ
飲んだのね…