私、大家になります！～ARS～6 (ページ29)

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A「櫻井さん…」

今、彼は退行しているのだろうか？でも、それにしては口調がしっかりしているような…

和也「A、兄貴は今、退行してねーよ」
A「和…」
潤「さっき、翔にいが言ってた
俺にAねぇのこと“姉ちゃん”呼びする許可が欲しいって
翔にい、さととAねぇのこと兄や姉のように甘えたいんだって」
和也「俺と潤くんは、その…年齢的にも難しいから、俺達は“弟”として兄貴と接することになった」

なるほど…ね
だから、急に呼び方が変わったのね

雅紀「え、じゃあ俺は？」
和也「まーくんは、この前自分で言ったんでしょ？
翔ちゃんとは兄弟であり友達だって」
雅紀「？う、うん」
潤「ふふ、雅は雅のままでいいんだよ」
雅紀「あ、ありがとう？」

あっちで3人が何か話しているみたいだけど…
とりあえず、私は今の櫻井さんに向き合うってことね

A「櫻井さん」
翔「は、はい…」

私は、目の前にいる櫻井さんの身体を抱き締めた
当の本人は、私の突然の行動に困惑している

A「櫻井さん、ありがとうございます
私達のために買ってきてくれたんですよね？」
翔「でも、俺が」
A「実は、私お腹が空いていたのを忘れてました
昼間、卒論で頭を使ったからお腹が空いてて…ふふ、今ならいっぱい食べられそうです」

これは本当だ
少食の和と大野さんを除いても、この量ならいける気がする

A「だから、私も謝るのを止めるので櫻井さんも」
翔「…翔」
A「え？」
翔「俺が退行している時、姉ちゃんは俺のことをそう呼んでくれたんでしょ？
俺も、和や潤を呼んでいる時みたいに呼び捨てで呼んで欲しいし、タメ口で話して欲しい」

ダメかな？
そう言いながら、上目使いで私を見る櫻井さ…いや、翔

可愛すぎでしょ…
え、本当に私より歳上？
疑うと同時に邪の気持ちが頭の中に出てきて、私は慌ててその考えを振り払った

翔「姉ちゃん？」
A「何でもない。こっちの話だから」
翔「こっちの…？」
和也「ヤバいよ兄貴。A、兄貴のこと変態な目で見てる」
A「ちょ！私は、翔のこと可愛いなって思っただけでって…あ、」
和也「ふは、ちょろすぎでしょ」

うわ…心なしか和のお尻に悪魔の尻尾が見える

和也「そういうこと。だから、Aは兄貴が姉ちゃんって呼ぶこと嫌がってないって言ったでしょ？」
翔「…うん」
和也「だから、思いっきり甘えてよ？」

そう言うと、和は夕食で食べるものを選び始めた