私、大家になります！～ARS～6 (ページ28)

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それよりも、一つ引っ掛かることが…

A「えっと…和と潤？」
和也「だから、連絡忘れたのは悪かったって」
A「いや、それもだけど…2人とも、櫻井さんのことそんな風に呼んでたっけ？」

私の記憶が正しければ、二人とも櫻井さんに対して“さん”付けで呼んでいた気がする…

私がそう言うと、2人は苦笑いをし「話すと長くなるから、中入っていい？」と言ったため、
とりあえず全員でリビングに移動した

雅紀「…そういえば、3人とも手に何を持っていたの？」
和也「あぁ…これ？」

リビングに入った後、まーちゃんが三人が重そうに持っていたビニール袋を不思議そうに指差したため、
3人はテーブルの上にビニール袋を置き、その中身を一つ一つ取り出した

…その中身に、私は見覚えがあった

A「これって…悟兄ちゃんの店の料理？」
和也「ふふ、さすがバイトしているから察しがいいじゃん」

その中身は、悟兄ちゃんの店でテイクアウトで扱っている料理だった
どれもこれも見覚えがある

あれ？でも、私の記憶が正しければ、今ここにある料理の数
実際にテイクアウト可能とされた料理の数と一致している気がする…
まさか

A「あの、変なこと聞くんだけどさ
もしかして…テイクアウト可能のメニューに載っていた料理、全部買ってきた？」
和也「すご、やっぱり分かる人には分かるんだな」

…え？！

A「いやいや！有名チェーン店より料理は少ないけど、6人で食べるには多いって！」

私がそう言うと3人はスッと表情が暗くなった
もしかして…

潤「Aねぇ、これ全部翔にいが選んでくれたんだよ？」
A「…櫻井さんが？」
翔「ごめん、勝手に。言い訳になっちゃうけどもう一人の俺が美味しそうだからって全部頼んじゃったみたいで…
それをもう一人の俺はメニューにあったもの全部をあの店で食べようとしてたから、和達が止めてくれたみたいで…
それで、智くんと雅紀はまだ来たことないからという理由で、2人に宣伝するためにもって…水無月さんが」

…なるほど、そういうことか
だとしたら、さっきの私の発言はかなり軽率だった

そう思って私は、3人に頭を下げて謝ろうとした
すると、なぜか前から温もりが

「ね、姉ちゃん」

…姉ちゃん？
誰もそう呼ぶ人はいなかったはず

それにこの声の人物は、私のことを唯一“大家さん”と呼んでいた気が…

翔「姉ちゃん、謝らないで。姉ちゃんは何も悪いことしていないから」