私、大家になります！～ARS～6 (ページ27)

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甘えるということページ27

A「…今、どこにいるんだろう」

私は、ちらりとリビングにある時計で時間を確認する
時刻は17時30分
だけど、夏とは違いこの時期は日が昇っている時間が短いため、外は真っ暗だ

雅紀「…Aちゃん、和からは何て連絡がきてるの？」
A「潤のバイトが終わったら一緒に帰ってくるって」

…和からメッセージアプリを使っての連絡が来たのは午後3時頃、図書館で卒論をやっていた時だった

内容は

和翔さんとお昼、悟兄ちゃんの店で食べてる。夕飯も買ってくるから、そのまま帰ってこいよ!

…とのこと。

だから、私はそのまま真っ直ぐ帰ってきたし
同じように連絡がきたであろう大野さんとまーちゃんも
手には仕事のもの以外何も持たずに帰ってきた

悟兄ちゃんとの話が盛り上がってしまって帰れないのか
もしくは、運悪く潤が退勤する時間にお客さんが沢山来て残業しているとか？

まぁ、どっちにしても帰りは3人一緒に帰ってくるわけだし…って私は母親か

智「…おいら、ちょっと様子見てくる」

痺れを切らした大野さんはそう言うと、立ち上がりリビングの扉を開けようとした

すると、それよりも早く玄関のドアが開く音がして
帰宅を知らせる声が聞こえてきた

慌てて3人で様子を見に行くと、両手にそれぞれ荷物を持った3人が肩で息をしていた

和也「悪い、遅くなった」
A「お帰り、悟兄ちゃんとの話盛り上がっちゃった？」
潤「あ…盛り上がったと言えば盛り上がったけどね？」

潤の含みのある言い方に不思議に思った私は、
先程から何も話さない櫻井さんにちらりと視線を移すと

翔「ごめんなさい、俺が電車とかタクシーに乗るのが大変であることを2人が気を使ってくれて…だから、お店からここまで歩いてきた」
和也「いや、兄貴は謝る必要ねーよ。結構腹一杯だったから運動にもなったし、色々話せて楽しかったし…ね？潤くん」
潤「うん、翔にいと久しぶりにいっぱい話せてよかった」

…あぁ、そういえば櫻井さんは人混み苦手だった
タクシーも昔じいちゃんと乗っている時に倒れたって言ってたもんね

でも、その店からここまでは徒歩だとかなりの距離だったと思う

連絡してくれれば、自転車で迎えにいったのに
…って二人乗りはダメだよね