私、大家になります！～ARS～6 (ページ26)

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和也side ページ26

和也「どうって…」
翔「俺…どう甘えていいか分からなくて
でも、雅紀とか和とか潤みたいな甘え方が理想で…
でも、俺には今更恥ずかしくて無理で…
だから」
潤「呼び方だけでも変えようってこと？」

潤くんがそう言うと、力なく頷く兄貴

和也「智は…潤くんが兄貴を呼ぶみたいに“にい”って呼ぶのは？」
翔「うーん…俺にはまだハードルが高いというか…」

…それはそうか。
ここに来る前は、兄貴の上には兄弟がいなかったし、
ここでは智だけだもんな…歳上は

だから、甘え方や呼び方が分からないというのも納得できる

和也「…とりあえず、現段階では智のことを“兄さん”って呼んで、なれてきたら“にい”呼びするのは？」
翔「…うん、努力する」

ふふ、“努力する”…ね

潤「じゃあ、Aねぇはどうする？」
翔「…それなんだけどさ」
潤「ん？」
翔「潤に許可をもらいたくて…いいかな？」
潤「え、俺に？！」
翔「そう、大家さんのことを“姉ちゃん”呼びする許可を…
ほら、彼女を“ねぇ”呼びしているのは潤だけだし」
潤「…つまり、翔にいも俺みたいに彼女をお姉ちゃんのように甘えたいってこと？」
翔「そう…ダメかな？あ、もし無理なら大丈夫！
潤だけじゃなくて他の皆とは別の呼び方で呼ぶからさ！
…ん？っていうことは、今の大家さん呼びの方がいいのか？それとも」

そう明るく振る舞っている兄貴だが、本当は彼女のことを姉ちゃん呼びしたいのだろう

声がところどころ震えている

別に許可とかいらないと思うし、Aだって兄貴から“大家”以外の呼び方で呼ばれたら嬉しいと思うんだけどな…

…まぁ、兄貴は優しいし気遣い屋だもんね
自分はこうしたいと思ってたとしても、弟が嫌がったら止めるつもりだったのだろう

でも、その気遣いいらないけどね？
ほら、当の許可を求められた本人の目はキラキラしているし

潤「翔にい！」
翔「やっぱりダメだよね」
潤「そんなことないよ！ふふ、やったぁ
仲間ができた！」
翔「へ？」
潤「これから、いっぱいAねぇに甘えよう？
あ、でもAねぇの隣は負けないから！ね？和」
和也「ふふ、そうだね？兄貴、これからは遠慮しないで甘えに行ってよ？じゃないと、俺達どんどん甘えに行っちゃうからさ」

俺達がそう言うと、嬉しそうに涙を潤ませながら何度も頷く兄貴

その後、俺達は運ばれてきた料理を
ちょうどお昼の潤くんと悟兄ちゃんと一緒に食べながら話に花を咲かせていた