私、大家になります！～ARS～6 (ページ24)

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和也side ページ24

翔「和、何で泣いてるの？
もしかして腹痛い？
あ、大家さんに連絡しようか？」

俺の頭を撫でながらの突然の質問攻撃に戸惑う俺
…っていうか、さっきより口調がしっかりしている
いつもの彼に戻ったのか？

悟「久しぶりだね？櫻井くん」

俺達の様子を見守っていた悟兄ちゃんがタイミングを見計らって声をかけた

すると、翔さんは驚いたようで肩をビクつかせ
おそるおそるカウンターにいる悟兄ちゃんを見た

翔「み、水無月さん…お久し振りです」
悟「ふふ、櫻井くん。ここがどこが分かる？」
翔「どこって」

そう言いながら、翔さんは起きて初めて店内を見渡した

翔「え、ここどこ？！何でここにいるの？！」
和也「…翔さん、何でここに来たか覚えてる？」
翔「何でって…今日の朝、和がご飯作りに台所へ行って…ってあれ？
何で俺、ここから記憶ないんだよ」

そう言いながら頭を抱える彼
恐らく、記憶がなくなったタイミングは退行してから今までだろう

翔「和、俺何かした？記憶がないってことは、俺また退行してたんでしょ？
ねぇ教えて？俺、皆に迷惑かけてない？」
和也「それは」
翔「怖い…もう一人の自分が何をやっていたかが分からないのが
俺は、皆に迷惑かけたくないから何とか我慢できるのに…もう一人の俺が反対に俺の居場所を奪おうとしてんじゃないかって」
和也「翔さん…」

どう答えるのが彼にとっての正解なのだろう…

いや、彼にとって俺がどう答えようと自分が退行して迷惑をかけたことに変わらないからと返しそうだけど

潤「…可愛かったよ」
翔「へ？…あ、潤？！何でここに」
潤「翔さんはずっと可愛かった｡俺的には弟ができて嬉しかったし
…ね？和」
和也「え？あ、うん。翔さんと初めてマ●オのゲームできて楽しかったし」
翔「そうなんだ…何かごめんな？俺、兄ちゃんなのに」

そう言いながら、両手で頭を抱え落ち込む彼
…悟兄ちゃんの言った通りだ
翔さんは兄貴的ポジションを求めている。

だったら、俺達二人にできることは一つだ

それは潤くんも感じたのだろう
俺が口を開くよりも先に、翔さんに声をかけた

潤「ねぇ、翔さん」
翔「ん？何？」
和也「これからは、俺達翔さんにいっぱい甘えてもいいかな？」
翔「何言って…っていうか今更というかそんな改めて言わなくても」
潤「そういう意味じゃなくて！」
翔「え？」
和也「これからは俺達…翔さんに“弟”として甘えたいんだよ」