私、大家になります！～ARS～6 (ページ20)

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和也side ページ20

悟「ふふ、翔くん…だっけ？僕のお店の料理に興味をもってくれているの？」

そう悟兄ちゃんが声をかけると、翔さんは強張った表情になり、身体が固まった

悟「嬉しいなー…実はね、うちのバイトの潤くん、これ全部作れるんだよ？」
翔「え、じゅんが？！」
潤「ちょっとー悟兄ちゃん！！話盛らないでよ！
俺はまだ」
悟「…って言っているけど、照れているんだよ
僕には分かる」
翔「すごい！じゅん、かっこいい！」
潤「もう…」

そう言うと、恥ずかしいからか顔を赤くする潤くん
しかし、それに対し、キラキラした表情の言った張本人は気がつかない

でも、潤くんは嬉しいんだろうね
翔さんは褒めてくれることはあっても、“かっこいい”なんて照れ臭いセリフはストレートには言わないからね？

だから、恥ずかしがりながらも、口の端が嬉しさで緩んでいる

悟「だからさ、注文してくれるのはありがたいけど、
ここで食べるのは少しにして残りは持ち帰って、シェアハウスの皆で一緒に食べたらどう？」
翔「…え？」
悟「3人とここにいないAはここのメニューを食べたことあっても、大野くんと雅紀くんはないでしょ？
よかったら、僕のお店を2人にも宣伝して欲しいな…って」

…うまいな
悟兄ちゃんは、“今の”彼を傷つけないように…かつ彼が信頼しているシェアハウスのメンバーのためにと言えば、
必要とされることを望んでいる彼の自尊心が保たれる

俺も…悟兄ちゃんを見習わないと

翔「和…」
和也「ん？」
翔「みんなにおみやげ…いい？」
和也「ふふ、いいよ。翔さんが選んだって知れば、皆喜ぶよ
まーく…雅紀なんて「翔ちゃん、ありがとう！」ってバカ力で抱きしめてくれるんじゃない？」
翔「やった！しょうえらぶ！」

そう言いながら、再びキラキラした目でメニューを見る彼

ちらりと悟兄ちゃんに視線を移すと、俺に小さくVサインを送っていた