和也side ページ18
俺達が訪れた場所…それは
潤「え、翔さん？！和？！何でいるの？！」
潤くんとAがアルバイトで働いていて
悟「ふふ、いらっしゃいませ。待ってたよ」
俺の異父兄弟である悟兄ちゃんが経営する店だった
和「悟兄ちゃんごめん、急に連絡して」
悟「全然気にしないで？弟の頼みだったら喜んで」
遡ること数分前…
俺は、ご飯が食べられてあまり人目を気にしないで済むこの店を思い出した
さっそく、俺は悟兄ちゃんに電話で理由を話し、店の場所や混み具合を聞いた
…せっかく来ても、人がいっぱいだと
翔さんが食事どころじゃないからね？
ちょうど今お店が落ち着いているからという情報を聞いた俺達は、ここまで…まぁ、タクシーを使って来たわけだけど
翔さんは、不安そうにキョロキョロと周囲を見渡し
その間も俺の服の裾を握る手の力を一切緩めなかった
あ、そういえばタクシーでパニックになって
意識失ってあの家に連れてこられたんだっけ…
と思い出したのは、タクシーに乗ってしばらくしてからだった
だから、俺はタクシーから降りて徒歩で行くことを提案したけど「かずが疲れちゃうから」の一点張りで…
本当は、自分も疲れちゃうでしょって言いたかったけど、
何とか頑張ろうとしている翔さんの邪魔をしたくなくてただただ俺の服の裾にある手を擦ってあげることしかできなかった…
店に着いてみると、営業時間にも関わらず入り口の扉には“閉店”の文字が
不思議に思った俺が悟兄ちゃんに電話で確認すると、
悟「これだったら、他のお客さんも来ないし
2人もゆっくり食べられるでしょ？職権乱用だけどね」
とおどけた声が返ってきた時は申し訳なさと同時にその配慮が嬉しかった
で、今に至るってわけだけど
潤くんには何も言っていなかったから目が落ちるんじゃないかと思うほど大きく見開いているし、
口もポカンと開けているから
イケメンな顔が台無しじゃん
と苦笑いするしかなかった…
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2021年10月24日 7時
