私、大家になります！～ARS～6 (ページ17)

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和也side ページ17

その後何とか朝食を食べた俺達は、午前中は何もやらずにゆっくりと過ごすことにした

…と言っても洗濯とか食器洗いはそのままというわけにはいかないので、
翔さんと一緒にのんびりと行っていた

退行している翔さんはいつもより幼くて、俺の後ろから雛のようにちょこちょこくっついてきており、
そんな様子に俺は可愛いと思うと同時に、戸惑いがあった

どうしても“いつも”の彼と比べてしまう
そんなことしても、余計彼を傷つけるだけなのに…

一方、翔さんはそんな俺の心の中に気づいていないのか何度も俺の名を呼んだ

ほら、今も

翔「ねー、かず…これってどうやればいいの？」
和也「えーっとこれはここのボタンを押しながらここを押せば…」
翔「あ、ほんとだ！かずありがとう！」

俺達が今やっているのは、俺が好きな赤いおじさんと緑のおじさんが兄弟のテレビゲーム。

俺がやっている様子を見ていた翔さんが、「しょうもやりたい！」と言ったため、
俺は新しくゲームのデータを作り彼に渡したんだけど…

敵に何度も倒されたり、穴に落ちたりで消えていく赤いおじさんの数

…そういえば、翔さん
俺とかまーくん、潤くんがゲームをしている時、智と一緒に笑いながら見ていたような気がするけど…苦手だったわけね

その度に俺の名が呼ばれ、俺がやり方を教えるとキラキラした表情で「ありがとう」と言われる…
ふふ、何か嬉しいわ

もし、俺の立場がまーくんだったら「翔ちゃん、可愛い！」って加減しないで抱きしめそうだし、
潤くんだったら照れてぎこちなくなりそうだな

しばらく経つと、突然隣から大きなお腹の音が聞こえた
ちらりと見ると、翔さんが自分の腹を抑えながら「おなかすいた…」と呟いた

もうそんな時間？と思った俺が壁にある時計を確認すると、
時間はちょうど2時を示していた

和也「翔さん、お昼何食べたい？」

そう聞くと、翔さんは「かずがたべたいものをたべたい」と答えた

…その考えは退行していても変わらないのね

だけど、俺は作るのが面倒な奴だから
俺が食べたいものとなるとカップラーメンやレトルトのカレーになるんだけど、
俺はそれでよくても翔さんは腹が減っちゃうよな…

悩んだ俺は、ふとある考えを思いついた

そうだ、あそこなら！