私、大家になります！～ARS～6 (ページ12)

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珍しい休日翔side ページ12

翔「ん…」

久しぶりに熟睡を実感した俺は、ゆっくりと腕を上に伸ばそうとした

翔「…あれ？」

しかし、なぜか右腕が動かない
不思議に思って右を向くと

翔「え、さ、智くん？！」

俺の右腕を、まるで抱き枕のようにしっかり抱きしめ
穏やかな寝顔で眠っているこのシェアハウスの最年長がいた

え、どういうこと？何で彼がここに？
目の前の珍しい光景に頭の中がパニックになる

翔「えっと、確か…」

そう言いながらこうなった原因を振り替える

確か、この家に帰ってきた後
俺は皆に自分の過去を告白して…その後雅紀の過去を聞いて…

それで、皆疲れただろうからと一度寝ることになって…その時大家さんが俺が川の字で寝たいという願いを叶えてくれて…

ん？だとしたら、俺の寝る前の最後の記憶は俺の右隣は大家さんのはず

その大家さんの姿を探すが、現在布団で寝ているのは俺と智くん、和の3人だけだ

他の3人は起きてしまったのか、既に布団が畳まれている

…ってえ？！

翔「ヤバい、遅刻だ！早く行かないと」

そう思った俺は、心の中で詫びを入れて智くんを自分の腕から剥がした

翔「朝御飯は食べている暇ないや」

それよりも、早く着替えて仕事に行かないと…
じゃないと、怒られる…！

そう感じた俺は、急いで客間を出て自分の部屋に入る
ハンガーにかかっていたスーツに着替え、あわただしく玄関の扉を開けようとした

雅紀「翔ちゃん！」

すると、後ろから雅紀の声が

雅紀「どこ行くの」

…何言ってんの？スーツ着ているから、仕事に行くに決まってんじゃん

そう返そうと後ろを振り返ると、なぜか涙目姿の雅紀と潤、心配そうな表情の大家さんがいた