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呆れてため息を吐いてると、ふと私の耳に啜り泣く声が聞こえてきた
慌ててその方向を見ると、櫻井さんが勝にいが作ったオムライスを泣きながら止まることなく口に運んでいた
A「さ、櫻井さん？！無理しなくていいんですよ？」
私の声に全員が反応し、勝にいにいたっては慌ててキッチンから戻ってきた
勝希「お、おい！Aの言う通り無理して食わなくていいんだぞ？
もし、俺に気を使ってだとしたらそんなのいらねーし
反対に体調崩すのが心配だわ」
そう言いながら勝にいが櫻井さんの皿を回収しようとすると
櫻井さんは勝にいの手を掴み「違うんです」と叫んだ
翔「俺、初めてで」
勝希「初めて？」
翔「大家さんのおじいちゃんや大家さん、潤や雅紀の料理は何度も食べたことはあるんですけど
皆俺より料理がうまくて味も美味しくてそれが普通でした」
勝希「…悪かったな、下手くそで」
翔「そ、そういう意味じゃ…
渡辺さんが作ってくださったものは、見た目や味よりも渡辺さんの優しい気持ちがダイレクトに伝わりまして…そんなの生まれて初めてでした
もちろん、大家さん達の料理にはそういう気持ちがこもっていなかったわけじゃないんです
ただ、渡辺さんの料理には不器用でも俺達に料理を振る舞おうとする姿がこの場所から見えてて…
実の親にそんなことやってもらったことないから嬉しくて…」
そう言いながら、自分の口に運ぶ手を止めない櫻井さんに対し、
私達は戸惑うしかなかった
もしかして、それが彼の根底にある要因の一つなのだろうか
私達の反応に何かを感じとったのか、
櫻井さんは勝にいの手を掴んでいた手を離し、スプーンをテーブルに置き、
不安そうな表情で私達を見て、勝にいに視線を合わせた
翔「す、すみません渡辺さん。俺…」
勝希「ありがとな」
翔「え？」
勝希「頑張って作ったかいがあったわ
次はもっと腕を磨いて、とびきりうまいオムライスを作ってやるからな？」
翔「いいんですか？」
勝希「いいもなにも当たり前だろ？大切な弟達に料理を振る舞って何が悪いんだよ」
勝にいの言葉に、櫻井さんの瞳が徐々に潤み始めた
A「あ、勝にい泣かせた」
勝希「え、俺？！」
美和「他に誰がいるのよ」
私達の言葉に慌てた勝にいは、「ごめんな？泣かせるつもりはなかったんだよ！」と言いながら
櫻井さんを何とか泣き止ませようとする
でも、勝にい以外の全員は分かっていると思う
勝にいの裏表がない優しさが嬉しかったんだろうと
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うめパンダ(プロフ) - ゆーかさん» ありがとうございます(*^ー^)ノ♪不定期更新になってしまいますが、応援よろしくお願いします！ (2021年8月5日 8時) (
レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか(プロフ) - 初見です！今日この小説を見つけて一気にここまで読んでしまいました笑この先が凄く気になります！これからも頑張って下さい！！ (2021年8月4日 17時) (レス) id: 8f1f91b32d (このIDを非表示/違反報告)
うめパンダ(プロフ) - 名無し56631号さん» ありがとうございます(*￣∇￣*)そう言っていただけると嬉しいです！ (2021年7月27日 18時) (レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
名無し56631号(プロフ) - 最近読み始めました！！とても面白いです…更新楽しみにしています (2021年7月27日 9時) (レス) id: 2035d75108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2021年7月12日 23時
