ARS課の事件簿

39 翔side ページ43

ｶﾀｶﾀ…

ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ…

この部屋に響くキーボードの音と、紙をめくる音。

俺らは今、それぞれの方法で過去の事件を探しています。

ちなみに俺は過去の事件の捜査資料を元に櫻葉町で起きた事件のみを抜き出してメモをしており、ニノはインターネットを使って探している。

にしても結構あるな…

万引きや空き巣、交通事故…

挙げてみたら、キリがない…。

この中に、今回の事件に関わるようなことなんてあんのかな…

和也「ふー…翔さん、一旦休憩にします？」

翔「あぁ。でも俺は今見てる資料が終わってからにするよ(苦笑)」

和也「了解でーす(苦笑)」

さて、頑張りますか…

えーっと…この資料は…20年前か…

あ、これは櫻葉町のだ…

事件の名前はっと…

…は!?殺人!?

マジかよ…

被害者の名前は成田浩二、30歳

警視庁捜査一課の刑事だったんだ…

死因は、刃物を心臓に刺したことによる失血死ショック

あ、でもこの事件…2ヶ月で解決しているんだ…。

容疑者は、被害者の家の近所に住んでいた山本清司、30歳。

犯行動機は…衝動的にやってしまったから分からない…っか…。

こんな感じなのによく起訴出来たな…

でも、この山本…今から3ヶ月ぐらい前に獄中で首を吊って死んだんだ。

罪の重さを感じてか…？

あ、1番下に担当刑事の名前が書いてある…





え…嘘だろ…




俺はその名前を見て驚いた。

和也「どうしたんですか？翔さん。

何か見つけたんですか？(苦笑)」

俺の異変に気づいたニノは、コーヒーを飲んでいたコップを片手に持ち、こっちまで来てくれた。

翔「いや…大したことじゃないんだけどさ？」

俺は、さっきまで見ていた資料をニノに見せた。

和也「なるほど…警視庁の刑事が殺害された事件ですか…これも驚きますが、翔さんが驚いたのはこれだけじゃないでしょ？」

スゲー…ニノにはお見通しか(苦笑)

翔「あぁ(苦笑)ここ見てくれよ(苦笑)」

俺は、担当刑事の名前を見るよう促した。

和也「櫻井正(ただし)さん…誰ですか？これ。」

翔「…今の警視総監の名前。」

和也「あ、そうでしたっけ？(苦笑)

あれ、でもこの名字って…」

やっぱり、分かっちゃったか…(苦笑)

翔「そう…今まで黙っていたけど、警視総監は…









…俺の実の父親なんだ。」

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