心配 智side ページ47
先程の部屋を出たおいらは、真っ直ぐ翔くんの部屋へと足を進めた
いつもならするドアノックの時間も今は惜しくて
すぐに彼の部屋のドアを開ける
智「やっぱり…」
…そこには、着替えをすると言って部屋を出たにもかかわらず
仕事から帰ってきたままの姿でこちらに背を向け、うずくまっている彼がいた
智「翔くん」
おいらが声をかけると、一瞬肩があがったが
その声がおいらだと認識すると、おそるおそる後ろを振り返った
翔「何で…？」
智「…翔くんが心配だったからっていう理由じゃダメ？」
翔「ダメって…そもそも智くん、誰の味方もしないんじゃなかったの？」
智「そうだよ」
翔「だったらさ、」
智「でも、だからといって今の翔くんは放っておけないよ」
そう言うと目の前の彼は、ポロっと涙を溢した
翔「俺…さ、」
智「…うん」
翔「怖かったんだと思う」
智「…うん」
翔「彼女がこの家に来る前は、
この家の中で俺の存在は、あの三人の中で頼れる兄貴的存在だと思ってた」
智「…うん」
翔「でも、彼女が来てからはさ？
雅紀、潤の順番で彼女に心を許し頼るようになって…
でも、和だけはあの子のことを嫌ってて…
まぁ、それは元大家さんとの思い出に上書きされるのを恐れていたからだけど」
智「…うん」
翔「だから、何があっても絶対あいつの味方でいようと思ったの
そうすれば、あいつも俺だけを頼ってくれるって思ってた」
智「…うん」
翔「でもさ、それも今日で終わっちゃった」
そう言いぼろぼろと涙を溢す彼
…おいらは彼の過去を知っている
おいらだけじゃない
じいちゃんも知っている
だからこそ、おいらは彼も他の三人と一緒に救われてもいいはずなのに…
翔「俺も彼女が嫌いだったから、正直仲間がいて嬉しかった
でも、理由はあいつと全然違うの
俺は、ただ自分のポジションを彼女に取られたから嫉妬していた
ただ、それだけなんだよ
それが一度だけでなく二度も…
結局、自分のことしか考えてないの」
智「翔くん…」
翔「でもさ、俺はただ安心したいだけなの
誰の代わりもいない…俺だけしかいないそんなポジションにいたいだけなんだよ」
智「…うん」
翔「○○の場所取られたって泣くなんて
…ふふ、あいつらより俺の方がよっぽどガキじゃん」
そう言って笑う彼の顔は、おいらが目を背けたくなるほど痛々しかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 172人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ココ - 楽しく読ませていただいています。これからも頑張って下さい！大好きです (2020年12月14日 18時) (
レス) id: d99ce7578f (このIDを非表示/違反報告)
うめパンダ(プロフ) - もふもふさん» ありがとうございます(*´ω｀*)これからも応援よろしくお願いします(*^ー^)ノ♪ (2020年11月28日 10時) (レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ - うめパンダさん» いつも楽しく読ませていただいてます。続きがとっても楽しみです！これからも頑張って下さい ファイト！！ (2020年11月27日 23時) (レス) id: feaa44eb2b (このIDを非表示/違反報告)
うめパンダ(プロフ) - ナナ☆さん» ありがとうございます(*´ー｀*)完結にはまだまだ時間がかかりますが、最後まで彼等の進む道を見守ってください！ (2020年11月2日 23時) (レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
うめパンダ(プロフ) - モコスケさん» 返事が遅くなってしまい申し訳ありません！面白いなんて…とても嬉しいです(///ω///)♪これからも応援よろしくお願いしますm(__)m (2020年11月2日 23時) (レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うめパンダ | 作成日時：2020年8月19日 11時
