・悟side ページ31
僕の部屋に布団を2つ並べ、電気を消してからも2人でちょっとだけ話したが、お互い疲れていたみたいでいつの間にか眠っていた
久しぶりにあの夢を見た
ここ最近寝ていなかったから忘れたと思っていたのに…
急速によみがえるあの夢の流れ
真っ暗な空間にお父さんとお母さんが突然僕の前に現れ
僕がお父さん、お母さんと呼ぶと鬼の形相になって殴る
僕は止めてと何度も言おうとしているんだけど声が出ない
しばらくすると2人は殴るのを止めて言うんだ
『お前はいらない』って
そして僕に背を向け、2人はそれぞれの道を歩いていく
やっと『待って！僕を置いていかないで！』と声を出すことができても
振り返ることなく、2人は進んでしまう
2人を引き止めたくて、身体を動かそうとしてもまるで足が地面にくっついたかのように動くことができない
だから僕は、声がかれるくらい何度もお父さんとお母さんの名前を呼ぶんだ
毎回同じ流れになるのに、夢の中の僕は必死に足掻こうとする
早く夢から覚めたい
こんな辛いこと何で何度も見ないといけないんだよ
誰か僕をここから出して！
その願いが届いたのか、突然僕の身体が強く揺らされ、
その衝撃で目が覚めることができた
でもなぜだ？
地震でも起きたのか？
A『悟兄ちゃん…』
横から彼女の声が聞こえ慌てて見ると
僕を涙目で見つめていた
悟『どうしたの？怖い夢見ちゃった？』
さっきの夢から逃げるように彼女の中での“悟兄ちゃん”に変わり質問するが、ふるふると首を横に振る
じゃあなんだ？
僕が色々思考を巡らせていると、なぜか彼女は自分の布団からでて僕の布団に潜り込んで
僕を前から抱き締めた
悟『A？』
A『このまま、ぎゅってしたまま寝てもいい？』
それを聞いてある考えが浮かんだ
もしかして彼女は夜になって家にいるお父さんとお母さんのことを恋しくなっちゃったんじゃないかって…
悟『いいよ、ぎゅってしようか』
そう言うと、まるで離れたくないと言いたいがごとく
抱き締める腕が強くなるA
A『悟兄ちゃん』
悟『ん？』
A『私は、悟兄ちゃんのことを置いていったりしないよ』
どういう意味かを問いただそうとしたが、残念ながら彼女は夢の中に入ってしまった
…偶然だよね？
彼女が僕の夢を見たわけじゃないし
そう言い聞かせた僕は、その態勢のまま眠りについた
…不思議なことに、2回目はあの悪夢を見ることなく
朝を迎えることができた
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うめパンダ(プロフ) - もちこさん» ありがとうございます！そう言っていただけるなんて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします(*´ー｀*) (2020年6月4日 23時) (
レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
もちこ - 皆が段々と惹かれていく感じが好きです！応援してます！！ (2020年6月4日 20時) (レス) id: e755f3dd42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2020年5月20日 11時
