・悟side ページ28
その日のうちに退院の準備がされ、次の日には先生や看護師さんたちに見送られ
僕とじいちゃんはタクシーに乗った
『疲れているところ悪いんだけど、君に会わせたい人がいるんだ』
悟『会わせたい人…ですか？』
『あぁ…わしの家族に』
“ワシの家族”
『すまんな？息子家族が新しい住人ができるたびに紹介しろとうるさいんじゃよ
少しはワシを信用してくれてもよかろう』
そう思わんか？と言いながら僕に尋ねるじいちゃん
いや、知らないし
…と突っ込みたかったが抑え、自分にできる愛想笑いを浮かべて誤魔化した
『あ、あとな？ワシにはかわいい孫がいるんじゃよ』
悟『そうなんですね』
『まだまだ小さいんじゃが、これがまた目にいれても痛くないくらい美人さんでの？
あ、ワシの孫はまだ嫁には出さないつもりだから、絶対惚れるんでないぞ？』
悟『お孫さんはおいくつなんですか？』
『確か…来年小学校に入ると言ってたのー』
…一体、何十年先の話をしてんだよ
親バカか？いや、祖父バカ？
でも、その子が羨ましい
こんなにおじいさんに愛されてて…
もし、僕がおじいさんの孫だったら同じように愛されていたのだろうか？
…って、いまさらたらればの話をしても現実が変わるわけではないんだけど
そう頭の中でぐるぐると考えていると
ふと、頭の上に温もりが…
『不安じゃろ？でも、安心せい
ワシは君を追い出す気はさらさらない
もし、息子夫婦がどうしても拒否をすると言ったら…その時は親子の縁を切ろうと思ってる』
悟『なぜ、そこまで？あなたにはかわいい孫がいるんじゃ…』
『確かに孫は大好きじゃ。じゃが、君を助けることができるのはワシしかおらんじゃろ？』
…図星だ
『それに、ワシにとっては水無月くんもかわいい孫みたいなもんじゃ
孫を守るのは当たり前じゃろ？』
そう言い撫でられた頭に
初めて感じる愛情
あぁ、これが家族なんだと不覚にも泣きそうになった
いや、自分の手の甲がどんどん濡れてきたから既に泣いていたのかもしれない
『さぁ、もうすぐ着くからこれで拭きなさい
かっこいい顔が台無しじゃ』
そう言い渡されたのは、四つ折に折られたシックな柄のハンカチ
僕は軽くお辞儀をしてそれを受け取った
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うめパンダ(プロフ) - もちこさん» ありがとうございます！そう言っていただけるなんて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします(*´ー｀*) (2020年6月4日 23時) (
レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
もちこ - 皆が段々と惹かれていく感じが好きです！応援してます！！ (2020年6月4日 20時) (レス) id: e755f3dd42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2020年5月20日 11時
