・悟side ページ26
それからは高校中退でも雇ってくれるところを探して
ようやく見つかったのは体力勝負が売りの仕事だった
夏は暑いし冬は寒い
何度も辞めたいと思ったけど、学歴がない自分を雇ってくれる会社は少ないことを分かっていたから、
毎日がむしゃらに働いていた
あれは、いつだったかな
今でも忘れられない夢を見たんだ
それはあの日、あの2人に捨てられた夢だった
あれについては忘れたはずだったのに、なぜかそれを毎晩毎晩見て…
しかも夢の中の僕も目が覚めるとあの2人がいないという事実を現実の僕が眠る度に何度も経験していて
自然と眠ることが怖くなって、布団に入っても一睡もできない日が何度も続いた
そんなことが続くと日中の自分にもダメージがこないわけなくて
仕事中、つい居眠りをしてしまって危うく足場から落ちそうになったんだ
幸いにも、命綱をしていたこととたまたま隣にいた上司が助けてくれたこともあって無傷ですんだんだけど
その日の仕事終わりにその上司に怒られたんだ
『仕事中に居眠りなんて何を考えているんだ！
今回は運がよかったからよかったものの危うく命を落としていたんだぞ！
どうせ、遅くまでテレビを見たりゲームをやっていたんだろう
いい加減、社会人の自覚を持て！』
頭の中では、上司が僕のことを心配してくれてあえて厳しい言葉で叱ってくれているのは分かるんだ
でも、僕は寝たくても眠れないんだ
テレビも見てないし、ゲームもしていないんだよ
そう弁解したかったけど、そんな子どもみたいな言い訳を聞いてくれるかも微妙だったため、
素直に謝罪した
次の日
休みだった僕は病院へ行きここ最近眠れないことを相談しにいった
診断されたのは“不眠症”
先生は、最初1週間分の睡眠薬を処方してくれて
1日の使用量を必ず守ることとそれでも眠れなかったらもう一度来て欲しい
ということを言われた
やっぱり睡眠薬の効果は最適で
最初の3日間はそれを使えばすぐに眠ることができた
でも、4日目からは同じ用量使用してもなかなか眠れず
ついに5日目は残りの日数分も合わせて一緒に摂取しちゃったんだ
この時に病院に相談しにいけばよかったんだけど、
怒られるのが怖かったから、他の病院へ内緒で通って睡眠薬をもらって
それを飲んでいた
それが癖になってしまえば、どんどん用量が増えていくのも分かり
最終的に、もらった分をその日のうちに全部飲んでしまって
…気がついたら、僕は病院のベッドの上で横になっていたんだ
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うめパンダ(プロフ) - もちこさん» ありがとうございます！そう言っていただけるなんて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします(*´ー｀*) (2020年6月4日 23時) (
レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
もちこ - 皆が段々と惹かれていく感じが好きです！応援してます！！ (2020年6月4日 20時) (レス) id: e755f3dd42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2020年5月20日 11時
