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好きな席に座って待っててーと言いながら、悟兄ちゃんは厨房の中に入ってしまった
A「…潤、どこにする？」
潤「カウンターでもいい？“A”」
A「う、うん」
呼び名に違和感を感じながら、私達はカウンターのほぼ真ん中の席に座った
A「潤、大丈夫？」
潤「何が？」
A「…アイスコーヒーじゃない方がよかったよね」
潤「何言ってんの？俺だって立派な大人
アイスコーヒーくらい飲めるよ」
A「いや、そういう意味じゃなくて！」
潤「じゃあ、どういう意味なんだよ！A」
切れ気味にもう一度呼ばれた私の名前
A「それだよ」
潤「だから、何が？」
A「何で、私達しかいないのにいつもみたいにAねぇって呼ばないの？」
潤「は？」
A「悟兄ちゃんの目を気にして変えているなら目を瞑ろうと思ったけど…
そうじゃないなら話は別だよ」
潤「何だよ」
A「潤が言ったんだよ？呼び捨てだと妹になっちゃうって
俺は姉ちゃんに護られたいって言ったんじゃん！」
潤「それは」
A「呼び方を変えるだけならいいの。
でも、それで誰にも甘えられなくなっちゃうなら…そんな呼び名いらない」
思わず立ち上がった私につられて、目の前の彼も立ち上がる
潤「おかしいだろ」
A「何が？」
潤「歳上のおっさんの俺が大学生のAに“ねぇ”って言ってんだぞ」
A「私は気にしてないよ」
潤「俺は気にすんだよ！どうすんだよ
俺が外でAねぇってうっかり呼んじゃって…
それを聞いた周りの奴等が俺達を好奇の視線でずっと見てこそこそされて…」
A「潤…」
そんなこと考えてたなんて…
潤「俺自身は、そういうの慣れているからいいんだよ
でも、それでAが…Aねぇまで変な目で見られるのは耐えられない
だったら、俺は我慢する
どんなに甘えたくても、どんなに辛くても」
A「我慢って…」
潤「大丈夫、慣れっこだし
それでAねぇが護れるんだもん」
あぁ、やっぱり私には無理なの？
じいちゃんと違って皆より歳下で学生だし…
皆をまるごと包んで…でも全員を護れるくらい強い器が私にはまだ足りないのかな？
悔しくてつい下唇を噛む
ついでに目頭が熱くなり、涙も出てきそうだ
悟「ちょっと！僕がいないうちに何きょうだい喧嘩しちゃってんの？！」
飲み物を持ってきた悟兄ちゃんは、私達のただならぬ空気に大慌て
気まずくなった私は何も答えず、走って女性トイレへ逃げ込んだ
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うめパンダ(プロフ) - もちこさん» ありがとうございます！そう言っていただけるなんて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします(*´ー｀*) (2020年6月4日 23時) (
レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
もちこ - 皆が段々と惹かれていく感じが好きです！応援してます！！ (2020年6月4日 20時) (レス) id: e755f3dd42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2020年5月20日 11時
