家族 ページ1
しばらく、私達はその後何も喋ることなく
お互いに強く抱き締めながら声をあげて泣いた
ふと、我に返った私
いい歳をした2人が人目を避けて抱き合っているなんて…
見た人は何事だと思うかもしれない
それこそ、彼が気にしてしまう
A「あの、松本さん急に何の許可もなく抱き締めてしまいすみませんでした」
そう言い、私は彼から身体を離そうとする
しかし、なぜか彼は私から身体を離そうとしない
むしろ、私が離れないようにと抱き締める腕の強さが心なしか強くなった気が…
A「あの、松本さん？」
潤「このまま、話をしたい」
A「えっと…」
潤「ダメ？」
こちらを窺うような声色の彼
もうね、表情は見えてないけど、
対面でこれを上目遣いで言われたら
…止めよう。可愛すぎて鼻血出そう
A「…いいですよ？」
潤「ふふ、やった！」
潤「俺ね、本当は嬉しかった」
A「ん？」
潤「さっき、あいつらに俺達の関係を聞かれた時
“家族”って言ってくれたでしょ？」
あぁ、そういえば…
潤「今までいた場所では、俺は邪魔な存在として扱われた
ここに来てじいちゃんとあの4人に出会って…
あ、これ家族みたいだなって思う場面が何回もあって…
だけど、それを思っているのは俺だけかもしれない
もし、うっかり口を滑らそうものなら…俺達の間の何かが壊れそうで正直怖くて言えなかった 」
A「そんなことは」
潤「でも、さっき言われた時嬉しかったの。
あんなピリピリした状況だったのに、心の中がポカポカして
あぁ、家族だって思ってたのは俺だけじゃなかったんだって…」
何か、そう言われると私だって嬉しいよ
潤「だからさ、一層俺達の呼び方変えない？」
A「…はい？」
潤「あんたは俺のこと“潤”って呼んで
俺は…Aねぇって呼ぶ」
A「ふふ、そこは私も同じように呼び捨てじゃないんですか？」
潤「俺が呼び捨てしたら、妹みたいじゃん
どうせなら俺は姉ちゃんに護られたい」
A「姉ちゃんって…そもそも、私は貴方より歳下で」
潤「だって、あんた俺より歳上っぽいもん」
A「そんなことは」
潤「あ、姉ちゃんなんだから敬語もなしね？」
A「は、はぁ…」
潤「まぁ、人の目もあるからこの呼び方はこんな風に二人きりの時とシェアハウスにいる時にしとく」
よかった…それはそれで私も周りの視線が気になるからね？
潤「ってことで、皆が心配するから
帰ろうかAねぇ」
A「そうだね？潤」
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うめパンダ(プロフ) - もちこさん» ありがとうございます！そう言っていただけるなんて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします(*´ー｀*) (2020年6月4日 23時) (
レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
もちこ - 皆が段々と惹かれていく感じが好きです！応援してます！！ (2020年6月4日 20時) (レス) id: e755f3dd42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2020年5月20日 11時
