私、大家になります！～ARS～ (ページ31)

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憂鬱ページ31

A「はぁ…」
「ちょっと大丈夫？出勤してから何回もため息吐いているけど」
A「あ、すみません…」

翌日、私は朝からシフトが入っていたためバイト先であるレトロな雰囲気のカフェへいつも通り出勤したんだけど…
昨日までの2日間を考えるとこれからのことが憂鬱で仕方がない

っていっても、そんなプライベートなこと持ち込んでも迷惑なだけなのにな…
そう思うと同時に、ついため息を吐いてしまい「ほら、また」と指摘が。

「僕でよかったら、相談乗るよ？」
A「え、でも店長今仕事中…」
「朝からため息を吐いている人間が、何言ってるの」

…ごもっともだ

「さ、そうと決まれば今から臨時休業にしないと」
A「本当に申し訳ありません…」
「ふふ、今はお客様いないんだから固苦しいの止めてよ」
A「でも…」
「今の立場は店長とアルバイトっていう立場じゃなくて…“兄と妹”でしょ？」

そう言う店長の目は昔のようなまるで愛しい妹を見るような優しい感じに変わっていた

A「分かったよ…“悟兄ちゃん”」

そう私が言うと彼…悟兄ちゃんは照れ臭そうに笑った

…あのシェアハウスの元住人である悟兄ちゃんと再会したのは、4年前私が大学1年生の時だった
きっかけは、偶然だったと思う

地元では有名な進学校に通っていた私は、アルバイトする時間がなくて…だから、初めて大学1年生になって定期代と学費を稼ぐためにバイトを探した

今考えれば結構大変だったと思う
面接で行くとこ行くとこ、深夜までへたしたらラストまで働けるかと聞かれて…
でも、前期後期で取れる授業は違うし、授業によっては1限から始まるものもあるから本数がない路線で通っていた私は5時に起きることが当たり前になってたからそれを伝えると
後日お祈りメールが何度も何度も届いた

困った私はサイトや地方紙を使って必死に探して…
すると、ある地方紙のページに地元で働くイケメン店長という特集が組まれてて
その一つがこの店だった

見つけた時は、まさかその店長＝悟兄ちゃんとは思わなくて
ただただ路線沿いにあるからという理由で応募したら即採用された時は本当に驚いたし、自分はあの悟兄ちゃんだと告白された時は驚くと同時に涙が止まらなかったのは昨日のことのように覚えている