私、大家になります！～ARS～ (ページ4)

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両親は、彼が祖父と住むことを渋々了承した

私は、偵察？という名のものを両親から受けて
休日はよく祖父の家に遊びに行っていた

その過程でその男性……悟兄ちゃんと仲良くなり、私はよく遊んでもらっていた

小学校に上がってからも
悟兄ちゃんやその後から住むようになった他のお兄ちゃんやお姉ちゃんは、私が遊びにいくたびに快く歓迎してくれた

私自身にも、近所には年が近いお兄さんやお姉さんがいたとはいえ、
祖父の家に住んでいる兄ちゃん達と遊んだ方が何十倍も何百倍も楽しかった

しかし、それは長くは続かなかった
あれは…小学校6年生になったばかりの頃だったと思う
一人……また一人と祖父の家から出ていったのだ

理由は、
就職、結婚、留学等理由は様々だった

私はそれを知る度に何度も泣いた

その度に祖父と悟兄ちゃんは
『皆、今まで色々なことをここで乗り越えて来たんだ。辛いけど、新しい門出を祝わないと』
と慰めてくれた

この時の私はこの言葉に込められた意味が分からず、ただただ泣いていた

結局、悟兄ちゃんも隣町に起業するとかで私が小学校を卒業した翌日に出ていった

どうやら、悟兄ちゃんは前々からこのことを考えて、祖父とも話し合ってたらしいんだけど、
いつも泣いていた私を可哀想に思って、私が卒業する日まで待っていってくれたのだ

祖父の家を出る日、悟兄ちゃんは
『今までありがとう』と言ってくれた

それは、私も同じだったが悟兄ちゃんは
『AとAのお祖父さんが居てくれたから、僕は救われたんだよ』
と言ってぽろぽろと綺麗な涙を流していた

祖父のおかげは何となく分かるけど、ただ一緒に遊んでいただけの私はどうしてそこまで感謝されているのか分からなかった

ただ、その理由を知っている祖父は

『流石、ワシの孫だ』

と褒めてくれた