私、大家になります！～ARS～ (ページ27)

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A「でも、まーちゃんって何か女の子っぽくない…？」
雅紀「あひゃ、それじゃあ俺が“翔ちゃん”とか“潤ちゃん”って呼んでいるのはどうなるの？」

ふふ、確かにそうかも

雅紀「それに、さっきも言ったけど大家さん“だから”呼んで欲しいと思ったの
他の4人からではなく…」

な、何かそこまで言われるとちょっと勘違いしそうになるんだけど…
自惚れるな私！他の4人も同じ条件なんだからね！
…って、誰に私は対抗心燃やしてんだ？

雅紀「…大家さん？」
A「へ？」
雅紀「大丈夫？何か…めちゃくちゃ百面相してたけど」

え、顔に出てたの？！恥ずかしい…

A「だ、大丈夫！そ、それよりま、まーちゃん？」
雅紀「ん？」
A「わ、私も大家さんじゃなくて名前で呼んで欲しいなー…って」
雅紀「…え？」

まーちゃんの不思議そうな表情に、思わず我に帰った
何言ってんの私…一応大家という立場ではあるけど5人より年下だ
生意気だって思われて、まーちゃんとせっかく縮まったかもしれない距離が開くかもな…

何だか、目を合わせずらくなって思わず顔を下に向け、
どんどんと悪い方向に考えていると「いいの？」と窺うような声が聞こえた

慌てて顔をあげると、まーちゃんは不安そうな表情をしていた

雅紀「ダメなのかな…って思ってたから…
ほら、誰だって呼び方って気になるもんじゃん？だから、“大家さん”の方が無難だなって」
A「いえいえ！私の場合、違和感あるな…って」
雅紀「違和感？」
A「うん。まだなったばかりなのもあるけど、そもそも私、“大家さん”って言われるほど偉くないし…」

だからね？と首を傾げるとまーちゃんは考え込む仕草をする

雅紀「じゃあ…Aちゃんって呼んでもいい？」
A「全然大丈夫！」

私が返事をすると、まーちゃんはよかったーと安心した表情になった

雅紀「…これから、よろしくね？Aちゃん」
A「こちらこそ、まーちゃん」

自然と出された手
私はそれに躊躇いもなく握る
すると、彼も優しくキュっと握り返した

その後はゴンドラが地上に着くまで、窓にうつる景色を見ながら、
お互いにたわいもない話で盛り上がっていた…