私、大家になります！～ARS～ (ページ26)

今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:137,514 hit

・ページ26

雅紀「ふふ、ありがとう…」

そう言うと相葉さんは、ズズッと鼻を啜った

雅紀「あ、もう1個あった！」
A「ふふ、もう1個ですか？」
雅紀「…ねぇ、大家さん」
A「何ですか？相葉s」
雅紀「それ、やだ」
A「へ？」

やだ…？

雅紀「相葉さんやだ、名前がいい」

…？！

A「し、しかし…私年下ですので…」
雅紀「敬語もやだ、タメがいい」
A「はぁ…」
雅紀「ダメ？」

身体を離し恐る恐る彼の顔を見ると
うるうるとした瞳で上目使いをし、不安そうに私の顔を覗きこんでいた

可愛い…これが本当に今年37歳になる人なのか？

それに、こんなことされちゃうと嫌って言えないじゃん

A「分かりまs…分かった」
雅紀「本当に！？」
A「う、うん…その～呼んでもらいたい名前とかは」
雅紀「雅紀がいい」
A「ま、雅紀…」
雅紀「あ、でも雅紀は翔ちゃんのものだった」

へ？！な、なんか私聞いちゃいけないものを聞いた気が…

雅紀「雅ちゃんはさとくんのもので…まーくんは和のもので…マサは潤ちゃんのものだから…」

ん？何か私が過った考えとは違う…
もしかして…

A「あの、その…誰かが呼んでいる呼び方は誰も呼ぶことはできないルールがあるの？」
雅紀「人による…かな？でも、俺は色々な呼び方で自分を呼んで欲しい
お前！とか、おい！っじゃなければ…
これならいっぱい自分を感じられるから…」

相葉さん…
それだけ名前で呼ばれることを大切に思っているってことだ
だから、余計にプレッシャーがかかる

あぁ、どうしよう…
…ん？この呼び方は誰も言ってないよね？
おそるおそる私は、相葉さんに尋ねた

A「あの…」
雅紀「なーに？」
A「“まーちゃん”って大丈夫…？」
雅紀「まーちゃん…？」
A「う、うん…二宮さんがまーくんって呼んでいるんだったら、
まーちゃんはどうなのかな？って」

私がそう言うと、彼は考え込むように下を向いてしまった

A「あ、もし嫌だったら言って？もう一回考えr」
雅紀「それがいい」
A「分かった…もっとよく考える」
雅紀「俺は、大家さんにまーちゃんって呼ばれたい」
A「そうだね、私に…って、え？」

何か話が噛み合ってないぞ？えっと、つまり…

A「あ、まーちゃんでいいんですか？」
雅紀「だから！さっきそう言ったじゃん！」

ぷんぷんという音が聞こえそうな顔で怒る相葉さん…いや、まーちゃん
何だろう、全然怖くないんだけど