私、大家になります！～ARS～ (ページ15)

今日:4 hit、昨日:17 hit、合計:137,527 hit

・ページ15

A「い、いいですよ！私子どもではないし…」
智「おいらにとったら、立派ながきんちょ」
A「…」

正論である

A「そ、それに！4年ですから授業もほとんどないし、アルバイトもほぼ毎日入れているので…」
智「だったら、そのバイト先まで迎えに行く」
A「ど、どうしてそこまで私を…
あ、もしかして家賃を安くするためとか…」
智「んいや、そもそもじいちゃん
おいら達から家賃なんてとってなかったし」

え？初耳なんだけど

智「おいら達もちゃんと払うって言ったのに、
それよりも夢見つけて巣だっていくことに金使えって…」
A「そ、そうなんですか…」

どうしてそんなことを…
もしかして、じいちゃんがこのシェアハウス制度？を作った理由に意味が…？

智「それよりも話戻すけど、ただ単純に物騒だなって思っただけ」
A「物騒…」
智「外灯ほとんどないから真っ暗だし、その中を女性が一人で歩いているとか…
いかにも輩に襲って下さい！って言ってるようなもんだよ」
A「お、襲っ？！そんな大袈裟な…
それにここは田舎だからそんなことは…」

私がそう言うと、なぜかため息を吐かれた

智「ニュース見てねーの？こういう田舎だからこそ危ねーんだぞ
人ほとんど歩いてないから誰にも目撃されることねーし…」

言っとくけど、おいらはそういう最低なことやりたいとか思わねーからと付け足す大野さん

A「じ、じゃあお言葉に甘えて…」
智「ん」

私が返事をすると再び歩き出す大野さん
慌てて私はその後ろからついていく

智「で？」
A「はい？」
智「はい？じゃねーよ
何か策あんの？」
A「策とは…？」
智「はぁ…あいつらのことだよ。
大家をやるってちゃんと決意したからには、どうやって付き合っていくか考えてるんでしょ」
A「あ…」

そうだった…
すぐに認められるとは思ってない
だけど…じいちゃんみたいに出来るとは思ってないけど
ちゃんと大家としての仕事はやりたい
でもな…

A「…どうしましょう」
智「おいらにいい考えがあんだけど」

そう言うと大野さんはまるで悪戯を思いついたような表情で振り返り、
私の耳元に“ある”提案をしてきた