私、大家になります！～ARS～ (ページ13)

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イチゴミルクページ13

A「…冷たっ！」

突然左の頬にきた冷たい物に、思わず声をあげる

瞬間的に確認すると、イチゴミルクが入ったパックのジュースとミルクティーが入ったペットボトルをひとつずつ持った男性が
いつの間にか私の横に座っていた

確か、この人は……

A「大野…さん？」
智「どっちかあげる」
A「えっと…」
智「女の子ってこういう甘いやつ好きでしょ？だから」
A「はぁ…」

どんな意図があるのか？
彼の目から読み取ろうと試みるが、メンタリストじゃないからちっとも分からず数秒で諦めた

A「じゃあ…イチゴミルクをいただきます」
智「ん」

私が受けとるのを確認すると、残ったミルクティーのキャップを空けゴクゴクとイッキ飲みをする大野さん

それを見た私は、慌ててパックにストローをさしてイッキ飲み…は難しいのでなるべく早く飲むことに努めた

A「…何で来てくれたんですか？」

飲み終わり、彼も飲み終わっていたようなので思いきって聞いてみる

智「…君に託してみたいと思ったから」
A「私に？」
智「おいらもよく分からない。ただ直感的に思ったんだ
…君がじいちゃんの孫とか関係なく」

何よ、それ…

A「…貴方もお父さんもじいちゃんも私に何かあると思っているみたいですけど
私は何もありません
二宮さんが言っていたように子どもなんです
だから、その…そういう期待とか」
智「してないよ」
A「そんなハッキリと…」
智「別に疑っているわけじゃないよ？でも、おいらは一応あいつらの中で一番歳上だし
じいちゃんが居ない今、おいらが守るしかないの」

だったら、さっきの私の発言が皆さんを傷つけたの見ているはずなのに…

智「でも、だからといって君のことを何も知らず失礼な態度をとったことは申し訳ないと思ってる」

そう言うと私に頭を下げる大野さん
そういえば、二宮さんの問いに全員が目をそらす中、大野さんだけは私から目をそらさずにいてくれた

彼だけはあの4人と違うのかもしれない

A「…ここ、じいちゃんと皆さんの前に住んでいた方達と来た思い出の公園なんです」
智「…」
A「私の中で、あの家はじいちゃんと悟兄ちゃん達が住んでいたという記憶で止まっているんです。」
智「それっておいら達に」
A「でも、じいちゃんが選んだ人達だからじいちゃんを信じたい！だから！」

私はそう言うと、大野さんに頭を下げた

A「私に、あの家の大家をやらせて下さいっ！」