208 翔side ページ22
俺の言葉に図星だったのか
皆、複雑そうな表情をしている
智「……それは、翔くんにも当てはまるんじゃない？」
……え？
和也「大野さん、」
智「20年前の事件に直接関係していなくても、
親父さんが関係しているんだったら、息子を誘拐して親父さんを自分と同じ思いをさせてやろう！
……て言うのも考えられるんじゃない？
一応、頭文字は［さ］だしね」
潤「ちょっと、」
智「ほら、よく刑事ドラマでもあるじゃん。
自分が憎い相手ではなく、そいつが大切にしている人を誘拐するパターン」
雅紀「リーダー！」
3人が、俺に気を使って慌てて智くんを止めようとするが、智くんはそのまま言い続けた
でも、智くんの言葉はどこかストンと心に落ちるものがあった
……あぁ、そうか。
ふふ、智くんの言う通りかも。
翔「確かにそうかもね……」
A「翔くん……？」
翔「俺を誘拐した方が、犯人にとって親父を苦しめる立派な復讐になるもんね？」
雅紀「翔ちゃん……」
翔「でも残念。俺を誘拐したって、あの人は何も思わない。
だって……自慢の息子じゃないから」
潤「そんなことないって、」
翔「っていうか俺、今まであの人のせいで人間関係うまくいかないわ、警察官としての仕事もしづらいわで……
今になって仕事はできてるとは言えないけど、
やっと信頼できる皆にも出会えたっていうのに
今度はあいつのせいで誘拐されるの？
……ふふ、本当ふざけんなってーの」
……ってそんな個人的なこと言ってる場合じゃないか
早く、本題に戻さないと……
翔「それで？智くん、俺この捜査外れないといけないよね？」
智「うん…。このまま捜査を続けると、翔くんの身に危険が及ぶ可能性があるからね。」
翔「了解。じゃあ、さっさと俺を抜かしたメンバーで捜査する箇所割り振っちゃお？
俺、書記に専念するからさ」
うん、これでよし。
俺は最後まで参加できないけど、皆が解決してくれればそれで……
和也「ちょ、ちょっと待って下さいよ！」
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2018年5月22日 12時
