197 翔side ページ11
翔「じゃあまずは……」
と言い皆の顔を見る
すると、視界の端で一人手を挙げたのが分かった
翔「あ、じゃあ智くん」
智「ん」
そう返事をすると智くんは、席を立ち
ホワイトボードの前に移動した
智「じゃあ、おいら達の報告から始めるね〜？」
そう言うと智くんは報告をする
……前になぜかコーヒーメーカーの方に移動した
松潤は、その行動を見て何かを言いかけたが
智くんがこちらを振り返り、鋭い目でそれを制した
全員が見守る中、ガチャガチャと何かをしている智くん
暫くすると、智くんは漸くその行動を止めて
俺達の方に戻ってきた
……左手に黒い小さな塊を持って。
翔「智くん、それって……」
智「盗聴機」
直ぐにきた答えに
俺達は答えを失った
潤「何で、そんな物がここにあるんだ？」
智「さぁ？まぁ、大体想像つくけど」
翔「もしかして……誰かが俺達の行動を監視してたってこと？」
智「多分ね？
……ね？相葉ちゃん、ニノ」
……え？
慌てて2人の方を見ると
相葉くんは分かりやすく動揺していて、
ニノは動じることなく、ただまっすぐに智くんの方を見ていた
和也「僕達が何ですか？」
智「これの存在、随分前から気づいてたんでしょ？」
和也「……どうしてそう思うんですか？」
智「ここ最近になって、証拠が沢山出てきたでしょ？」
和也「まぁ、はい」
智「でも、それはおかしいんだよ」
和也「……」
智「一応、おいら達の前に一課もちゃんと調べたはず。
なのに、その時には出なかった証拠も結構出てきた…。
じゃあ、一課が杜撰な捜査をしていたのか。
いや、一課だって事件の可能性を考えて捜査をしたはず。
ってことは？」
和也「……盗聴機で僕達の動きを監視して、
犯人側が意図的に証拠を僕達に見つけさせたってことですよね？」
フーと息を吐き、淡々と言うニノ
智「……いつから分かってた」
和也「それはこっちのセリフです。
いつから、僕と相葉さんが分かっていたことを気づいたんですか？」
初めて見る、2人が言い合っている姿。
俺達は、ただその様子をじっと見守るしかなかった……
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2018年5月22日 12時
